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Case 4 | 電子部品メーカーQ社
補正は「見る」だけでなく「触れる」へ進化!
AMR×UR5eで実現した、ズレを許さない高精度ワーク搬送
01 背景
自動化による工程改善に取り組んでいた電子部品メーカーQ社。装置間のワーク搬送をAMR(自律走行搬送ロボット)に任せることで、省人化と生産性向上を目指していたが、対象の装置の前にAMRが到着した際に発生する位置ずれの補正方法に課題があった。
02 課題
カメラ補正だけではもう限界、拡張性を阻む“調整作業”という見えない負担
AMRは高精度な移動制御が可能とはいえ、必ずしも同じ位置に停止できるとは限りませんでした。この数センチの誤差が、後工程の正確なワーク配置に大きな影響を及ぼしていたのです。
装置開発部のK氏は、当時の状況についてこう振り返ります。
「最初は装置の近くにランドマークを設置して、カメラで読み取り位置補正を行っていました。しかし実際は、照明条件、角度、反射など、現場ごとの環境要因によって検出精度にばらつきが出てしまい、補正の安定性が保てませんでした」
しかも、搬送対象の装置は複数あるため1か所ごとに設定を見直す必要があり、これが大きな工数負担となっていました。カメラの設定にミスがあると認識精度が不安定になり、結果として作業効率が落ちてしまっていたのです。
「このままでは適用範囲を拡大するほど調整作業が増えてしまい、かえって非効率になるため、抜本的な解決策が必要だと感じていました」(K氏)
Q社は、装置間のワーク搬送をAMRに任せることで汎用性の高い柔軟な搬送システム構築を目指していたにもかかわらず、現実には属人化・高工数の運用に陥りかけていたのです。K氏は、もっとシンプルで拡張性のある手段を探し始めました。
【課題のポイント】
- AMRの停止位置に毎回ズレが生じ、ワーク投入精度に支障が出ていた
- カメラ補正は環境要因の影響を受けやすく、安定性に欠けていた
- 装置ごとにカメラ設定を調整する必要があり、拡張性と運用性に課題があった
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