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Case 6 | 機械部品メーカーQ社
人手不足と就業環境の悪化に悩む地方工場が挑んだ“働き方改革”
UR20によるパレタイジング自動化で、作業負担軽減と職場改善を両立
01 背景
地方に拠点を構え、産業機械向けの金属製品を製造している大手機械部品メーカーQ社。日々、多くの製品が加工・検品・出荷される中、継続的に製造物流の改善活動に力を入れていました。その中で、生産ライン終端にあたるパレタイジング工程が課題となっていました。
02 課題
慢性的な人材不足と重労働が重なる終端工程。変わらない現場を変えたかった
Q社は製造物流の改善に積極的に取り組んできましたが、終端のパレタイジング工程は、人手に頼らざるを得ない工程として残っていました。加工後の製品を箱詰めし、検品を経てパレットに積み替えるという作業は、高齢者や女性従業員が多く担当していたため、身体的負荷が大きく、就業環境の悪化につながっていました。
製造部のK氏は、こう語ります。
「1つの箱が20kg近くあるため、作業負担は非常に大きいものでした。加えて、1ロットでパレットが埋まりきらないため、結局、複数のパレットから別の出荷用パレットへ積み替える二度手間となっていたのです」
地方立地ということもあり、慢性的な人材不足に悩まされていた同工場では、過酷な作業環境がさらに悪評を呼び、人材採用にも悪影響を及ぼしていました。こうした背景から、現場の負担を軽減するためにも、いよいよ自動化に踏み切ることを決めたのです。
K氏たちはまず、社内の生産技術部に相談しますが、工場全体の生産設備更新や他ラインの改修で手が回らない状況でした。最終的には「製造部で検討を進めてみてはどうか」と背中を押されるかたちとなります。
「正直、不安しかありませんでした。ロボットの知識もなければ、設備導入のプロセスも分からない。業者選定から調達、設計、導入、すべてが未知の世界でした」(K氏)
加えて、パレタイジング工程は人と人の連携が前提の作業であり、ラインの隣では他の検品・包装作業も行われているため、従来の産業用ロボットのように安全柵を設置するタイプではスペース的にも運用的にも難しいと考えられていました。
【課題のポイント】
- 20kgの箱を積み替えする作業が重労働で、身体的負荷が高かった
- 地方工場で人材確保が難しく、就業環境の改善が急務だった
- 製造部単独で自動化を進める必要があり、ノウハウが不足していた
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