テラダインロボティクス、AIアクセラレータ搭載ソリューションをNVIDIA GTC 2025で発表、初のAI駆動型協働ロボットシステム
2025年3月18日、カリフォルニア州サンノゼ: テラダインロボティクスとそのパートナーは、3月17日から21日まで開催されるNVIDIA GTC 2025において、AIを活用した先進的なロボティクスソリューションのデモを発表する予定です。この展示は、商業的に実行可能なアプリケーションにおけるAIアクセラレータの初の公開デモンストレーションとなります。
「テラダインロボティクスの最高AI責任者であるジェームス・デビッドソンは、「フィジカルAIは、ロボットに現実世界を認識し対応する能力を与え、これまでは困難だった複雑な用途の自動化でしばしば必要とされる多用途性と問題解決能力を提供します。AIを搭載したロボットは、事前にプログラムされた命令を実行するだけでなく、学習、適応、そして感覚的な入力に基づいた情報に基づいた意思決定を行う能力を得ることができます。
常にレイアウトや障害物が変化する倉庫内をロボットがナビゲートする物流業務を考えてみてください。あるいは、予測不可能で変化する環境の中でロボットが組み立て作業を支援する建設現場を考えてみてください。AI Accelerator は、URロボットが周囲の環境をよりよく理解し、最適な経路を計画し、以前は管理しきれなかったスペースで安全かつ効率的にタスクを実行するのを支援します。」
NVIDIAとの緊密なコラボレーション
AI Accelerator は、ユニバーサルロボット(UR)がNVIDIAと共同で設計したAIアプリケーション開発キットで、URの次世代ソフトウェアプラットフォームであるPolyScope Xに対応しており、AIを搭載したURロボットアプリケーションの開発を可能にします。
テラダインロボティクス President の Ujjwal Kumar は次のように述べています。
「NVIDIA GTCに来場されている方々と新しいフィジカルAIアプリケーションを共有できることを楽しみにしています。AI Accelerator は、AIアプリケーションを短期間に構築して早期の市場投入を可能にするプラットフォームを開発者に提供します。当社のパートナーが開発するAI Accelerator を搭載した当社の新しいアプリケーションは、URがいかにフィジカルAIのために最適なプラットフォームとなりつつあるかを明確に示しており、協働ロボット工学がこれまで解決できなかった課題に取り組んでいます。」
エヌビディアのロボット工学・エッジAI担当副社長のディープ・タラ(Deepu Talla)氏は次のように述べています。
「ロボット工学とフィジカルAIの導入は、エヌビディアのIsaac Robotics プラットフォームによる生成AIとシミュレーションの進歩によって加速しています。テラダインロボティクスとの協業により、テラダインの広範な開発者およびパートナーネットワークに、この最新技術とメリットがもたらされます。」
NVIDIA GTCにおけるURパートナーソリューションの展示
3D Infotech - ダイナミック計測: ワークをスキャンし、CADモデルと比較し、ワーク表面に投影して寸法の不正確さを強調するUR3eを展示。AI Accelerator はURロボットの環境認識能力を強化し、検査のためにワークをより正確に特定できるようにします。
T-Robotics - GenAI駆動プログラミング: LLMベースのCNCマシンテンディングによるUR5eのデモ。T-RoboticsのActGPTを使用すると、ユーザーは自然言語でアプリケーションのセットアップを記述し、AI Accelerator の助けを借りてロボットプログラムに変換することができます。
AICA - 強化学習アセンブリ: UR5eが強化学習を使ってシングルアームのギアアセンブリを実行します。このデモは、AI Accelerator ベースの物体検出機能を使用してパーツの位置を特定し、強化学習スキルを使用して手の感覚に基づくような組み立て作業を実行します。
Acumino - 両手組み立て: AI Acceleratorは、人間の実演をもとに複雑な操作タスクを学習し、2台のUR5eで両手作業の自動化を実行をします。このシステムは、電気ケーブルのハンドリングタスクを行い、参加者はロボットと協力してタスクを解決することができます。
Groundlight - ピッキングを合理化するためのワーク検出: AI Accelerator は、ワークを検出し、ピッキングのためのロボットプログラムを生成するモデルを学習し、ロボットのワークスペースが準備できていることを確認します。
NVIDIA GTCで展示されたソリューションは、すべてAI Acceleratorの最新バージョン(1.1)で動作します。新バージョンは、NVIDIA Isaac ROSの最新リリース、特にNVIDIA Isaac™ Manipulatorコンポーネントを統合しており、ワークの姿勢推定と経路計画(パスプランニング)性能が強化されています。また、AI Acceleratorの最新バージョンでは、3DカメラのインターフェースがUSB3.0から高速GMSLへアップグレードされました。これらはPolyScope Xの最新バージョン(10.8)で動作します。
AI Acceleratorは主にURロボットにおけるAIアプリケーション開発を目的としたツールキットですが、基礎となるAIとアクセラレーション・コンピューティング技術は、GTCで紹介されたテラダインロボティクスのもう一つの会社であるモバイルインダストリアルロボット(MiR)でも活用されています。MiR1200 Pallet Jackは、パレット検出に3DビジョンとNVIDIA Jetson AGX Orinモジュールを使用しており、パレットの向き、形が複雑な環境でも正確にパレットを識別し、ピックアップし、移動させることを可能にしています。
「これらのアプリケーションはすべて、当社のAI Acceleratorが、AIが従来のロボットアプリケーション開発を変革するために開発されたことを示しています」と、3月18日午後2時(太平洋標準時)にGTCライトニングトーク「Accelerating AI-Driven Robotics with Universal Robots」を発表するデビッドソンは説明します。「NVIDIA Isaac Manipulator、PolyScope X、およびユーザーフレンドリーなツールセットのシームレスな統合のおかげで、開発者は、革新的なロボットアプリケーションを作成するためのフィジカルAIを簡単に利用できるようになりました。また、2025後半にはさらなるイノベーションが控えており、まだ始まったばかりです。」