Release note Software version 10.11.x. Japanese
日本語訳:リリースノート ソフトウェアバージョン 10.11.X ※対象機種: e-Series および UR-Series
PolyScope 5 のリリースノートは Release note Software version 5.24.x.x をご参照ください。
リリース日:2025年10月16日
ダウンロードは こちらから
SW 10.11.0 リリースノート
リリースバージョン:
- PolyScope X ロボットイメージ: 10.11.0
- URCap X SDK:
- ユーザーマニュアル: 10.11.0
主な新機能
-
Application Variables機能
アプリケーション変数の値を、アプリケーション終了後やロボット再起動後も保持できるようになりました。 -
License Manager
ライセンス取得済みのURソフトウェアを管理できる機能を追加しました。 -
追加の安全機能および安全設定
新たな安全機能と設定オプションが追加されました。 -
Toolboxのカテゴリ機能
Toolboxをカテゴリ別に整理できるようになり、ナビゲーション性と全体の見通しが向上しました。 -
Frameノード
プログラム実行中にFrameの作成および変更が可能になりました。 -
ScriptファイルのインポートおよびScriptノード
Scriptファイルをプログラムへ取り込み、Scriptノードとして使用できるようになりました。 -
Expression Editorの機能強化
式エディタの操作性および機能が向上しました。 -
Smart Skills作成フローの改善
Smart Skillsの作成手順および操作フローが改善されました。 -
Program Treeのパフォーマンス向上
プログラム編集中のUIパフォーマンスを改善しました。 -
Robot API
従来のPolyScope 5 Dashboardサーバーに代わる、新しいRESTfulインターフェースを追加しました。 -
API機能拡張(OperatorScreenAPI、ProgramTree API、URCap API)
各種APIの機能を拡張しました。 -
URScript
スクリプト言語に新たな変数カテゴリ「shared variable」を追加しました。
互換性に関する注意事項
PolyScope X(全バージョン)は、コントロールボックス バージョン5.6(CB5.6)のみ対応しています。
コントロールボックスのバージョンを確認するには、製品のシリアル番号ラベルをご確認ください。モデル名に「CB5.6」と明記されています。記載されているバージョンがCB5.6ではない場合、またはバージョンの記載がない場合は、お使いのコントロールボックスはPolyScope Xに対応していません。PolyScope X対応ロボットとして購入されたにもかかわらず、正しいコントロールボックスでない可能性がある場合は、状況確認のためUniversal Robotsまでご連絡ください。
現在販売中のすべてのUniversal Robots機種に対応したPolyScope Xアップグレードキットをご用意しています。詳細については、Universal Robotsまたはお近くのUniversal Robotsパートナーまでお問い合わせください。
PolyScope X ユーザーインターフェース
アプリケーション変数
PolyScope Xのユーザーインターフェースでは、プログラム実行後やロボット再起動後も値を保持できる「アプリケーション変数」を定義できます。
これらの変数は通常のプログラム変数と同様に動作し、プログラムとともにエクスポートされます。
アプリケーション変数へのアクセス
アプリケーション変数を表示または管理するには、以下の手順で操作してください。
- Application → Application Variables に移動します。

新しい変数の作成
「Create Variable」(変数を作成)をクリックすると、以下の項目を設定できるダイアログが表示されます。
- Name(名前)
- Type(型)
- Initial value(初期値)



注意点:一度作成した変数は、名前および型を変更することはできません。
変更が必要な場合は、対象の変数を削除し、新たに作成してください。
変数の削除
変数を削除するには:
-
変数の横にあるゴミ箱アイコンをクリックします。
変数を削除するには、プログラムが停止している必要があります。
プログラム実行中に削除操作を行った場合は、自動的にプログラムが停止します。
プログラム内で変数を使用
アプリケーション変数は、プログラム内の他の変数と同様に使用できます。
ドロップダウンリストに表示される変数一覧へ追加され、選択可能になります。
代入ノードの例:

対応している型
以下の変数型に対応しています。
-
数値(整数および浮動小数点):1、3.14159
-
ブール値:True、False
-
文字列:"Next part"
-
ポーズ:p[0.1, 0, 0.3, 3.14, 0, 0]
-
行列:[[1, 0, 0], [0, 1, 0], [0, 0, 1]]
-
数値・文字列・ポーズの配列:
[3, 44, 55, 66, 77]、
["Start position","Pozycja startowa"]、
[p[0, 0, 0, 3.14, 0, 0], p[0.3, -0.1, 0.5, 0,1.57, -0.33]]
注意:
-
struct(複合データ型)には対応していません。
-
ハンドルオブジェクト(例:xmlrpc、ros_subscriberなど)は対応していません。
変数値の表示
最新の変数値は、サイドバーの「変数」セクションおよび、Application内の「Application Variables」画面の両方で確認できます。

変数の保存
各プログラムは、それぞれ独自のアプリケーション変数セットを持ちます。
新しいプログラムを読み込むたびに、既存の変数はすべてクリアされ、新たに読み込まれたプログラムで定義された変数に置き換わります。
プログラムを再度読み込んだ際には、アプリケーション変数の値は前回の状態に自動的に復元されます。
変数は、10分ごとおよびプログラム停止時に、自動的に内部プログラムデータベースへ保存されます。
URScriptにおけるアプリケーション変数のサポート
URScriptでは、アプリケーション変数は「shared」キーワードを使用して実装されています。
このキーワードの詳細については、Controllerセクションをご参照ください。
UI上で作成したアプリケーション変数をスクリプト内で使用する場合は、「shared」キーワードを用いて、その変数を「プログラムスコープ」に取り込む必要があります。
通常、この処理はPolyScope Xによって自動的に行われます。URCapのバックエンドや外部システムからコントローラへ直接スクリプトを送信する場合のみ、意識する必要があります。
# 共有変数をプログラムスコープへ取り込む例(値はUIで定義済み)
shared y
y = y + 1
注意:
URScript内で作成したshared変数は、自動的にUI上のアプリケーション変数にはなりません。
URScriptから永続的なアプリケーション変数を新規作成することは、現時点ではサポートされていません。
URScriptでアプリケーション変数を使用する際の推奨方法は、まず一時的な変数へ値をコピーし、スクリプト内ではその一時変数を用いて処理を行うことです。永続化が必要な場合は、処理後にその一時変数の値をアプリケーション変数へ書き戻してください。
shared X
global gX = X
while gX < 100:
if (check_exit_condition()):
X = gX
break
end
do_task()
gX = gX + 1
end
既知の制限事項
本リリースには、プログラマが留意すべきいくつかの制限事項があります。これらの制限は、今後のリリースで改善される予定です。
すでに定義されたリストは拡張できません
アプリケーション変数として定義済みのリストは、要素数を増やすこと(拡張)ができません。
Application Variablesで特定の長さを指定して定義したリストは、要素数を減らすことは可能ですが、増やすことはできません。
同様の制限は、プログラム内でリストの長さを短くした場合にも適用されます。リストから要素を削除した状態でアプリケーションを再読み込み、またはロボットを再起動すると、リスト容量は恒久的に縮小されます。
回避策:
リストを手動で削除し、再度作成してください。
ロボットのシャットダウン時に値が保存されない場合があります
プログラム実行中にロボットのシャットダウンを行うと、アプリケーション変数の直近の値が保存されない可能性があります。
回避策:
シャットダウン前に必ずプログラムを停止してください。プログラム停止時に、変数値は内部の永続データベースへ保存されます。
プログラム切り替え時に最新更新が失われる可能性があります
現在のプログラムが実行中のまま新しいプログラムを読み込んだ場合、約0.5秒間、アプリケーション変数が保存されない時間帯が発生します。
回避策:
新しいプログラムを読み込む前に、現在のプログラムを停止してください。
オペレータがプログラムを切り替える可能性がある状況(例:ロボットは待機状態だがプログラムは実行中)では、アプリケーション変数の更新を避けてください。
システムマネージャーにライセンス管理機能を追加

システムマネージャーに、新たにライセンス管理機能を追加しました。
本機能により、Universal Robotsから提供されるライセンスを簡単に追加し、新しいソフトウェア機能やロボット機能を有効化できます。
不要になったライセンスは削除することも可能で、ロボット機能を柔軟に管理できます。

安全ツール位置 ― 安全設定
安全設定セクションに新機能を追加しました。
これにより、既定のツールフランジに加えて、最大2つまでのカスタムツール位置を定義・管理できるようになりました。

主な機能
-
最大2つまでのカスタムツール位置を設定可能(X、Y、Z座標および半径を指定)。
-
ツール位置は3Dモデル上に表示され、リアルタイムで更新されるため、正確な位置調整が可能。
-
安全平面との連動機能:
-
ツール位置の球体と安全平面との衝突検知。
-
ツール位置が安全平面に入った際の減速モード(Reduced Mode)への切り替え。
-
使用方法
-
「安全」>「ツール位置」へ移動します。
-
新しいツールを追加します。
-
半径および位置座標(X、Y、Z)を設定します。
-
3Dモデルのリアルタイム表示を使用して位置を微調整します。
-
設定を保存し、適用します。
設定後は、定義したツール位置の球体に基づいて安全平面が動作し、運用時の安全性と制御性が向上します。
ツールフランジ制限の有効/無効切り替え ― 安全設定
本ソフトウェアリリースでは、ロボットの安全設定内において、ツールフランジと安全平面との衝突検知を無効化できるオプションを追加しました。

目的:
本機能により、半径を持つツール位置を定義でき、安全平面との間で以下の動作を行えるようになります。
-
ツール位置と安全平面との衝突検知
-
ツールが安全平面に入った際の低速モードへの移行
主な利点
-
ツールフランジを安全平面を通過させることが可能
使用方法
-
「安全」>「平面」へ移動します。
-
「ツールフランジを制限しない(OFF)」を選択します。
-
設定を保存し、適用します。
設定後は、ツールフランジが安全平面に接触しても、ロボットは安全平面との干渉動作を行いません。
3ポジションイネーブル停止 出力用安全機能
安全アプリケーション画面の「安全I/O」>「出力」セクションにおいて、以下の2つの新しい安全機能を出力信号へ割り当てできるようになりました。
-
3ポジションイネーブル停止中:
「3ポジションイネーブル停止」が有効な場合、出力信号はLOW、それ以外はHIGHになります。 -
3ポジションイネーブル停止ではない:
「3ポジションイネーブル停止」が有効でない場合、出力信号はLOW、それ以外はHIGHになります。

これらの新しい出力用安全機能により、接続された3ポジションイネーブル装置(3PEデバイス)によって「3ポジションイネーブル停止」が発生したかどうかに応じて、安全出力をHIGHまたはLOWに設定できます。
これらの出力用安全機能を使用するには、安全設定内で3PEの構成が行われている必要があります。対象は、3ポジションイネーブルスイッチ付きティーチングペンダント、または外部3PEデバイス、もしくはその両方です。
これらの設定が行われていない場合は警告が表示され、安全設定を適用することはできません。

ツールボックスのカテゴリー

カテゴリは「Move 移動」「Logic ロジック」「Structure 構造」「Tool ツール」「URCaps」です。
すべてのプログラムノードを表示する「すべて」カテゴリも用意されています。
各ノードは、対応する contribution.json ファイル内の「categoryName」フィールドでカテゴリを指定できます。
フレームノード
プログラム実行中にフレームを簡単に作成・変更できるよう、新たにフレームノードを追加しました。
このノードで作成されたフレームは、アプリケーションセクションで作成するフレームと区別するため、「ライブフレーム」と呼ばれます。

本ノードでは、以下の4つの操作が可能です。
-
ライブフレームの作成
-
フレームの移動
-
フレームの削除
-
親フレームの変更
ライブフレームの作成

指定した名称で新しいフレームを作成します。フレームの位置は、位置設定ダイアログから指定できます。また、フレームの親も設定可能です。
位置は、x, y, z, rx, ry, rz の各値で指定するか、式を用いて指定できます。
フレームの移動

既存のフレームを新しい位置へ移動します。対象となるフレームは、アプリケーションで作成したフレーム、またはライブフレームのいずれも指定可能です。
作成時と同様に、位置は座標または式で指定できます。
フレームの削除

既存のフレームを削除します。対象となるフレームは、アプリケーションで作成したフレーム、またはライブフレームのいずれも指定可能です。
baseやworldなどのあらかじめ定義されているフレームは削除できません。
親フレームの変更

スクリプトファイル
スクリプトファイルをディスクからPolyScope Xへ取り込めるようになりました。取り込んだスクリプトは、Scriptノードを通じてプログラム内で使用できます。
スクリプトファイルは、システムマネージャーから管理します。

スクリプトファイルは「+スクリプトファイル」から取り込みます。ディスク上のファイルは「.script」拡張子である必要があります。
スクリプトファイルはファイル名で管理されます。そのため、同じファイル名で再度ディスクから取り込むと、既存のファイルは上書きされます。取り込み後は、スクリプトファイルの削除や内容の表示が可能です。
なお、Scriptノードにはスクリプト名を指定するフィールドはなくなりました。

スクリプトを編集する際、スクリプトマネージャーからスクリプトを取り込む、または内容をクリアするオプションが追加されました。
注意:スクリプトファイルは、挿入時にスクリプトマネージャーからScriptノードへコピーされます。そのため、後から同じファイルをスクリプトマネージャーへ再取り込みしても、既存のプログラム内容は自動的には更新されません。必要に応じて、プログラムを手動で更新してください。

式エディタ

入力ダイアログの「式」タブを更新しました。
新たに「クイックアクセス」セクションを追加し、現在のカーソル位置に入力、出力、変数、関数を簡単に挿入できるようになりました。
また、AND、OR、NOT、TRUE、FALSEなどの一般的な論理演算子や値を挿入するボタンも追加されています。
本機能は、タブ付きの入力ダイアログすべてに追加されました。さらに、これまで文字列のみを受け付けていた一部のノードフィールド(例:Ifノード)にも適用されています。
スマートスキル作成フローの更新
カスタムスマートスキル専用の作成ボタンを追加
Smart Skillsの設定画面において、作成フローを改善しました。
専用の「Smart Skillを作成」ボタンから、カスタムSmart Skillsの開発を直接開始できるようになり、既存スキルを複製する必要がなくなりました。

プログラムツリーパフォーマンス向上
プログラム編集中の操作性を改善
ProgramTreeでのプログラム編集時における応答性と操作性を向上させるため、複数の改善を実施しました。
変更点:
-
UI操作のノンブロッキング化
プログラム変更後、検証やコード生成の完了を待つことなく、挿入ポイントやツールバー操作をすぐに行えるようになりました。 -
バックグラウンドでの継続的なプログラム検証
プログラム変更はバックグラウンドで検証されるため、よりスムーズで高速な編集が可能です。 -
検証処理の最適化
検証中に新たな変更が行われた場合、現在の検証処理は自動的にキャンセルされ、最新のプログラム状態で再実行されます。 -
新しい検証ステータスバー
ProgramTree上部に、検証中であることを示すステータスバーを追加しました。 -
実行時の安全対策
検証処理が完了するまで、プログラムは開始できません。これにより、正確性と安定性を確保します。
影響:
これらの改善により、体感的なパフォーマンスと応答性が大幅に向上しました。
バックグラウンド処理に妨げられることなく、より迅速かつ直感的にプログラムを修正・改善できるようになります。
Robot API
概要
Robot APIは、PolyScope Xの一部として新たに導入されたREST形式のインターフェースで、従来のPolyScope 5 ダッシュボードサーバーに代わるものです。本APIにより、外部システムからロボットの動作をプログラムで制御・監視できるようになります。なお、本APIはロボットソフトウェアがリモートモードで動作している場合にのみ利用可能です。
REST(Representational State Transfer)を採用することで、Robot APIは現代的で標準化された、拡張性の高いロボット制御手法を提供します。この移行により、外部の自動化システムやクラウドベースの統合管理ツールとの連携がより容易になります。
主な特長
RESTアーキテクチャ
-
標準的なHTTPメソッド(PUTなど)およびJSON形式のデータを使用
-
現代のソフトウェア開発手法との高い互換性を考慮した設計
リモートモードが必須条件
- APIはロボットがリモートモード時のみアクセス可能、外部からの制御を安全かつ意図的に行うための設計です。
エンドポイント概要
ロボット状態ドメイン
ロボットの動作状態を制御します。
- PUT /robotstate/v1/state
- 機能: ロボットの状態を変更します。
- リクエスト形式: { "action": "UNLOCK_PROTECTIVE_STOP" }
- 対応アクション:
- UNLOCK_PROTECTIVE_STOP
- RESTART_SAFETY (安全上の理由により、表示中のエラーダイアログは閉じません)
- POWER_OFF
- POWER_ON
- BRAKE_RELEASE
- レスポンスコード:
- 200 OK: State changed successfully(状態変更に成功)
- 409 Conflict: Invalid state transition (無効な状態遷移 例:ロボットがPROTECTIVE_STOP状態ではない)
- 500 Internal Server Error
- 504 Gateway Timeout
- 422 Validation Error
プログラムドメイン
ロボットプログラムを制御します。
- PUT /program/v1/load
- 機能: 指定した名称のプログラムを読み込みます。
- リクエスト形式: { "programName": "example" }
- Response Codes:
- 200 OK: Operation successful(操作成功)
- 500 Internal Server Error
- 422 Validation Error
- PUT /program/v1/state
- 機能: プログラムの状態を変更します。
- リクエスト形式: { "action": "play" }
- 対応アクション:
- play
- pause
- stop
- resume
- レスポンスコード:
- 200 OK: Operation successful(操作成功)
- 500 Internal Server Error
- 422 Validation Error
- GET /program/v1/state
- 機能: 現在のプログラム状態を取得します。
- レスポンスコード:
- 200 OK: Operation successful(操作成功)
- 500 Internal Server Error
開発者向け注意事項
-
すべてのエンドポイントは、以下のベースURL配下で提供されます。
http://{host}/universal-robots/robot-apiドキュメントおよびサンプル/試行機能は、以下のURLから利用できます。
http://{host}/universal-robots/robot-api/docsエラーハンドリングは、以下のスキーマに基づき標準化されています。
-
APIError
-
APIResponse
-
HTTPValidationError
構造化された通信を行うために、以下のスキーマを使用してください。
-
RobotStateResponse
-
LoadProgramRequest
-
API
OperatorScreenAPI 更新
OperatorScreenAPI に新しいサービスを追加
OperatorScreenAPI に、以下のサービスを追加しました。
-
ToolService
-
MountingService
-
FramesService
-
MotionProfilesService
-
ScriptFileService
-
TreeBuilder
これらのサービスは、これまでシステム内の別の箇所で提供されていましたが、オペレーター画面の設定における利便性と一貫性を高めるため、OperatorScreenAPI に統合されました。
互換性及び影響
今回の追加は既存機能に影響を与えない拡張であり、完全な後方互換性があります。
既存のOperatorScreenAPI利用者は、追加された新サービスを使用しない限り、変更は不要です。
ProgramTree API 更新
新機能:addBlockChildNode
ProgramTreeサービスに、プログラム構造を動的に操作するための新しいメソッドを追加しました。
/**
* Add a node to the root of a program block, for example the main program or
* the before start(プログラムブロックのルート(例:メインプログラムやBefore Start)にノードを追加します)
* @param node and other add parameters
*/
addBlockChildNode(node: AddBlockChildNode): Promise<void>
/**
* Describes information required to add a node to the root of a program block(プログラムブロックのルートへノードを追加するために必要な情報)
* @property insertionRelativeToBlock Which position to insert. Either first or last
* @property block Where to insert. Either the main program or the before start
* @property node The node to insert
* @property changeSelection Whether to change the selected node after the add. If true or undefined, the
* selection will be changed to the newly added node, if false the selection will remain unchanged
*/
export interface AddBlockChildNode {
readonly insertionRelativeToBlock: InsertionEnum.INTO_FIRST |
InsertionEnum.INTO_LAST;
readonly block: BlockEnum;
readonly node: Readonly<ProgramNode | BranchNode>;
readonly changeSelection?: boolean;
}
export enum BlockEnum {
MAIN_PROGRAM = 'mainProgram',
BEFORE_START = 'beforeStart',
}
説明:
メインプログラムや「Before Start」セクションなど、プログラムブロックのルートにノードを追加できます。
これにより、プログラムツリーの構築や変更を、より柔軟かつプログラム的に行うことが可能になります。
パラメータ:
- node:
挿入するノードの詳細および必要な追加パラメータを含む、AddBlockChildNode型のオブジェクト。
コントローラ
共有変数
本リリースでは、スクリプト言語に新しい変数カテゴリ「共有変数」を追加しました。
共有変数は、変数名の前に「shared」キーワードを付けて作成します。
共有変数は、グローバル変数やローカル変数とは独立したメモリ領域に作成されます。そのため、プログラムの再起動(安全停止を含む)後も値を保持できます。
注意:
PolyScope Xのアプリケーション変数は、共有変数の機能を基盤として実装されています。
グローバル変数およびローカル変数の名前空間は、共有変数の名前空間と重複します。同じ名前の変数をglobalとsharedの両方で宣言すると、コンパイルエラーが発生します。
URScriptにおける共有変数の宣言例
# Example for new shared variable with value assignment.(値を代入して新しい共有変数を作成する例)
# This assignment will also overwrite shared variable value if it is already defined.(すでに同名の共有変数が存在する場合は、値が上書きされます)
shared x = 100
# Example for bringing shared variable to program scope - value was defined in another program or Polyscope UI and will be used in later in script(共有変数をプログラムスコープへ取り込む例 ー 値は別のプログラムやPolyScope UIで定義済みで、スクリプト内で後から使用する場合)
shared y
グローバル変数と共有変数の違い
| global | shared | |
|
|
変数名の前に「global」キーワードを付けて宣言します。 |
|
|
|
|
|
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|
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|
| 有効期間 | プログラムのコンパイル時に生成され、 プログラム停止時に破棄されます |
プログラムのコンパイル時(セカンダリプログラムを含む)またはROS2 API経由で生成され、 ROS2 APIによる明示的な削除、またはコントローラのシャットダウン時にのみ破棄されます |
|
型の決定 |
最初の代入時に型が決定されます 以降、型を変更することはできません |
最初の代入時に型が決定されます 以降、型を変更することはできません |
|
型の互換性 |
対応しているすべての型 |
|
URCap API(エンジニアリングプレビュー)
ROS2インターフェースにより、共有変数と連携できるようになりました。
本リリースでは、今後仕様変更(破壊的変更)が想定されるため、APIの詳細ドキュメントは提供していません。
API機能:
-
変数の作成および値設定を行うサービス
-
個別変数を削除するサービス
-
すべての変数を一括削除するサービス
-
現在の変数値を定期的に配信するパブリッシャー
制限付きフリードライブの操作性向上
制約付きフリードライブ機能を大幅に改善しました。特に、溶接トーチなどTCPオフセットが長いツールで効果を発揮します。
1軸以上をロックした状態では、フリードライブは制約付きモードとなります。
ツールの位置合わせをより正確に行えるようになりました。
これらの改善は、ツールに直接ガイド力を加えた場合だけでなく、ロボットアームに力を加えた場合にも有効です。
フリードライブの感度は、速度スライダーで調整できます。微調整を行う場合は、速度スライダーを低めに設定することを推奨します。
その他のコントローラ機能
jerk_gain_scaling_set() および jerk_gain_scaling_get() のビルトイン関数を追加しました。
これにより、optimoveXおよびmoveX(モーションバージョン2使用時)において、システム振動を低減し、より滑らかな動作を実現できます。
バグ修正
組込み系(Embedded)
-
特定の周波数でモータが振動している場合にE-Stopが作動してもモータへの電源が遮断されない問題を修正
※制御の不安定性に起因する振動が条件であり、プログラム動作による振動では発生しません。 -
安全設定適用後の初回起動時に、IMMIがタイムアウトで異常停止する問題を修正
-
低速でターゲットが振動する場合(例:ウィービング溶接)におけるURシリーズの追従性能を改善
-
SW5.6~SW5.9.2のソフトウェアで出荷されたジョイントが、SW5.20以降へ直接アップデートできない問題を修正
-
UR8 LongおよびUR15において、ベースおよびショルダー部のジョイント速度が800µrad/s未満の場合の動作性能を改善
コントローラ
-
movejおよびモーションバージョン2使用時、特定条件下でロボット速度が想定より遅くなる問題を修正
PolyScope
-
一部の状況で、安全アプリケーション画面の「ロック」ボタンを押すと、変更がないにもかかわらず未適用の安全設定があると表示される問題を修正
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一部の状況で、安全I/O>出力画面にて出力信号ペアに割り当てた安全機能が誤って削除される問題を修正
-
変数の型としてMatrixが使用できない問題を修正
-
Callプログラムノードにおいて、Moduleドロップダウンを変更した際にFunctionドロップダウンがクリアされない問題を修正
-
textMsg()スクリプトノード使用時のログメッセージ表示不具合を修正
-
Waitノードでパラメータに0を指定できない問題を修正
-
ジョイント移動パネルの表示不具合を修正
-
Log Historyのバックアップ容量を最大30MBまで追記可能に修正
サポートファイル
-
リアルタイムデータの一部カラム名が誤っている、またはインデックス(ジョイントIDや軸)が欠落している問題を修正
過去のリリースノートはこちら: