加工サイクルは56分ですが、UR5eがCNCマシンテンディングを行う時間は、そのうちわずか6分です。
「残りの時間、協働ロボットは次のサイクルを待っていました。そこで、その時間も有効活用したいと考えました」と、ToolcraftのOperations Director、Steve Wittenberg氏は説明します。
そこで同社は、部品の洗浄・乾燥工程を新たに追加しました。UR5eはCNCマシンから加工済みの部品を取り出すと、洗浄液に浸した後、エアジェットで乾燥させます。最後に、洗浄・乾燥を終えた部品を出荷用ラックへ配置します。
さらにToolcraftは、UR5eのI/Oインターフェースを介して、空圧式治具やドアアクチュエーターも制御しています。
「これにより、CNC側の配線を大幅に減らしながら、CNCマシンに備わる標準的な安全機能を維持できます」と、Rapid Design SolutionsのOwner、Troy Ojalehto氏は説明します。
最初のアプリケーションはシステムインテグレーターの協力を得て立ち上げましたが、その後の洗浄・乾燥工程はToolcraftが自社でプログラミングし、導入しました。
「それを可能にしたのが、ユニバーサルロボットが提供する無料のオンライン学習環境です」とSteve Wittenberg氏は語ります。
「当社のAutomation EngineerがオンラインのUR Academyを受講し、その後インテグレーターから数時間の実践的な指導を受けました。それだけで、外部の支援を受けることなく、洗浄・乾燥工程を協働ロボットのサイクルに追加できました」
当初、Steve Wittenberg氏は、新しい工程をプログラミングしている間はUR5eによるマシンテンディングができず、生産を停止する必要があると考えていました。
しかし、ユニバーサルロボットのシミュレーターを活用することで、UR5eを稼働させたまま、新たに追加する動作のほとんどをオフラインでプログラミングできることが分かりました。
年1台の協働ロボット導入を計画、次は横形マシニングセンタを自動化
最初の協働ロボット導入を成功させたToolcraftは、今後、年間1台のペースで協働ロボットを導入する計画です。
「自社のAutomation Engineerが問題に対応し、トラブルシューティングまでできるようになったことが、この目標を実現するうえで重要になります」とSteve Wittenberg氏は語ります。
次に自動化を予定しているのは、横形マシニングセンタのマシンテンディングです。
この設備では、加工機へ出し入れするロータリー式の治具を使用するため、ワークの固定などに新たな課題があります。
「難しい部分はありますが、ユニバーサルロボットと治具の工夫を組み合わせることで、解決できると確信しています」とSteve Wittenberg氏は述べています。