
直感的なプログラミングで導入前から自動化の準備が可能
ロボットプログラミングの経験がなかったRob Marconi氏は、ユニバーサルロボットのPolyScopeシミュレーションソフトウェアをダウンロードし、協働ロボットが工場に届く前にプログラム全体の構成を作成することができました。
協働ロボットの導入後は、事前に作成したプログラムをロボットへ移し、UR協働ロボットのティーチペンダントを使って、実際の作業環境に合わせたウェイポイントを設定しました。


シカゴを拠点とするダイカストメーカーのRCM Industriesは、大規模なアウトソーシング案件をめぐり、メキシコのサプライヤーとの競争に直面していました。
そこで導入したのが、力・トルクセンサーを内蔵したユニバーサルロボットのeシリーズ協働ロボットです。
協働ロボットが高い精度を求められる反復作業を担うことで、生産量の向上とコスト削減を実現。低コスト地域のサプライヤーに対する競争力を高めるとともに、従業員をより付加価値の高い業務へ配置できるようになりました。
大口顧客がコスト削減を目的に生産の海外移管を検討していたため、RCM Industriesは顧客に提供する価値を維持しながら、製品コストを削減する必要がありました。
一方、自動化には技術的な課題もありました。CNCマシンのチャックへ部品を正確にセットし、自動で位置を調整する必要があり、非常に高い精度が求められる工程だったためです。
RCM Industriesでは現在、2つの同一のロボットセルにUR10e協働ロボットを導入しています。それぞれのセルで2台のデュアルスピンドルCNC旋盤を同一サイクルで稼働させ、一般消費者向けの配管部品を製造しています。
オペレーターが行うのは、テーブルに未加工の部品を供給する作業のみです。その後はUR10eが部品を各工程へ搬送します。
UR10eは未加工の部品をピックアップし、事前位置決め用の治具にセットして正確な位置に調整します。その後、1つ目のチャック、続いて2つ目のチャックへ部品をセット。加工が完了すると、完成品をコンベヤベルトへ移し、オペレーターのもとへ戻します。
UR10eに内蔵された力・トルクセンサーを活用することで、チャック上の適切な位置を検出し、自動で位置を調整できます。また、形状の異なる部品や正しくセットされていない部品を検知し、取り除くことも可能です。
RCM Industriesでは、別の工程にもUR10協働ロボットを活用しています。この工程では、直交ロボットが稼働する旋盤からUR10が金属リングをピックアップします。
その後、金属リングを洗浄タンクへ入れて潤滑油を洗い流し、ブロワーの前で動かして乾燥させます。最後に、処理を終えた完成品をドラム缶へ投入するまでの一連の作業を自動化しています。

「導入後すぐに得られた大きなメリットの一つが、生産量の安定化です」と、RCM IndustriesのDirector of Engineering and TechnologyであるRob Marconi氏は語ります。
従来、オペレーターが手作業でCNCマシンへ部品を供給していた際は、部品の確認や搬入・搬出など、複数の作業を同時に担当していました。そのため、素早く部品を供給できる一方で、作業のタイミングにはばらつきが生じていました。
「協働ロボットは、常に同じ動作を同じタイミングで繰り返します。そのため、導入直後からスループットを約15%向上させることができました」とRob Marconi氏は説明します。

協働ロボットの稼働中でも、オペレーターは必要に応じてセル内に入り、CNCマシンの調整やその他の作業を行うことができます。
リスクアセスメントを実施したうえで、安全柵を設置せずに運用できる点は、従来型の産業用ロボットと比較した協働ロボットの大きなメリットです。
Rob Marconi氏は次のように説明します。
「協働ロボットが部品を正しくセットできなかった場合は、オペレーターにエラーが通知されます。オペレーターはセルに入り、部品を取り除いた後、セル全体をロックアウトすることなくサイクルを再開できます」
Mike Higgins, sales and marketing director, RCM Industries私たちは常に『この工程は自動化できるか』『どの程度の投資が必要か』『導入するメリットはあるか』と検討しています。そして、自動化する価値のある工程がますます増えていることを実感しています
協働ロボットによる自動化によって、対象工程に必要な人員を削減できました。一方でRCM Industriesは、生産能力と競争力を高めることで、米国内の雇用を維持しています。
Sales & Marketing DirectorのMike Higgins氏は次のように説明します。
「売上と生産能力を拡大できたことで、これらの工程を担当していた従業員を、社内の別部門やほかの業務へ配置できるようになりました」
また、RCM Industriesのような都市部の製造現場では、人材確保そのものが大きな課題となっています。
「都市部で必要な人材を確保することは非常に困難です。製造業各社が熟練人材を求めて競争しています。そのため、特に反復作業については、自動化できる工程がないかを常に検討する必要があります」とMike Higgins氏は語ります。



ロボットプログラミングの経験がなかったRob Marconi氏は、ユニバーサルロボットのPolyScopeシミュレーションソフトウェアをダウンロードし、協働ロボットが工場に届く前にプログラム全体の構成を作成することができました。
協働ロボットの導入後は、事前に作成したプログラムをロボットへ移し、UR協働ロボットのティーチペンダントを使って、実際の作業環境に合わせたウェイポイントを設定しました。

RCM Industriesは、マシンテンディングで部品を把持するため、オンラインのUR+ショールームからPHDの3爪Pneu-Connectグリッパーを選定しました。
このグリッパーはUR+認定製品で、UR協働ロボットとプラグアンドプレイで簡単に統合できます。
Rob Marconi氏は次のように説明します。
「必要なエアバルブがあらかじめ組み込まれ、配線も完了しています。ロボットと連携させるために必要なプログラムも用意されています」
「ロボットにケーブルを接続し、ティーチペンダントへソフトウェアをインストールするだけで、すぐに使用を開始できました」
Rob Marconi氏は、1年未満で投資を回収した協働ロボットが、今後も継続的な効果をもたらすと期待しています。
「今後も多くの工程で自動化を計画していますが、協働ロボットの大きなメリットの一つは、簡単に別の工程へ再配置できることです」とRob Marconi氏は説明します。
「生産ラインの拡大に伴い、スループットをさらに高めるため、すでに協働ロボットを別のエリアへ移設する計画があります。安全柵を移動したり、大掛かりな配線をやり直したりすることなく、別のセルの生産性向上に活用できます」
これは、安全柵の移設にコストやダウンタイムが発生するため、簡単には再配置できない従来型の産業用ロボットとの大きな違いです。
RCM IndustriesによるUR協働ロボットの選定を支援したFPE AutomationのAutomation Specialist、Cameron Friend氏は、次のように説明します。
「eシリーズは、お客様へ積極的に提案している協働ロボットです」
その理由として、直感的なプログラミング、優れた操作性、迅速な関節交換、内蔵された力・トルクセンサーなどを挙げています。さらに、UR3eとUR5eでは30μm、UR10eでは50μmの繰り返し精度を備えています。
「こうした特長は、新たな用途へ協働ロボットを展開していくうえで非常に重要です。マシンテンディングだけでなく、バリ取り、塗布、梱包、パレタイジングなど、さまざまな工程への活用が可能です」

数千の企業が協働ロボットを活用しています...