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協働ロボットでピックアンドプレースを自動化し年間50万ドルを削減

Coty Cosmetics

化粧品製造の自動化でコスト削減と作業環境の改善を実現

Cotyは、Sally Hansen、Rimmel、CoverGirlなどの有名ブランドを展開する世界的な化粧品メーカーです。メリーランド州の工場では、4台のモバイルカートに搭載した8台のユニバーサルロボット製協働ロボットを活用し、パウダープレス工程における製品のピックアンドプレースと梱包を自動化しています。

このモバイル型の自動化システムにより、品質検査の精度向上と従業員の作業環境改善を実現。さらに、年間50万ドルのコスト削減が見込まれています。

12台のプレス機を費用対効果の高い方法で自動化することが課題に

Coty CosmeticsのProject ManagerであるPaul Baublitz氏にとって、課題は明確でした。

「現在、工場には12台のプレス機があります。自動化を進めるうえで常に課題となるのは、これだけの規模の生産工程を、いかに費用対効果の高い方法で自動化するかということです」

Cotyが自動化を検討した理由は、生産効率の向上だけではありません。従業員が担っていた反復作業には身体的な負担もあり、作業環境を改善する必要がありました。

同社は以前にもこの工程の自動化を検討していましたが、当時の技術では複雑なアプリケーションに十分対応できず、実現には至りませんでした。

そこでPaul Baublitz氏は、システムインテグレーターであるSydorko AutomationのOwner、Chris Sydorko氏に相談しました。

Chris Sydorko氏は、「課題は、Cotyが求める自動化に対応できる十分な移動性を備えながら、予算に見合う費用対効果も実現できるロボットシステムを構築することでした」と説明します。

従来型の産業用ロボットは、安全対策などの制約から簡単に移動させることができません。そのため、従来型ロボットで自動化する場合、12台あるプレス機それぞれにロボットを固定設置する必要がありました。

しかし、12台すべてに専用ロボットを導入する方法ではコストが高くなり、Cotyの予算内で自動化を実現することは困難でした。そこで、複数のプレス機で柔軟に使用できる自動化システムが求められました。

Coty Cosmetics

業界 医療・化粧品
北米
従業員数 100〜500
使用したURロボット UR3e、UR5e
動画 — UR3eおよびUR5e、Coty Cosmetics(米国)

UR3とUR5の連携で化粧品の検査から梱包までを自動化

そこでSydorko Automationは、協働ロボットによる自動化に着目しました。Chris Sydorko氏は、「ユニバーサルロボットには非常に優れたプラットフォームがあると感じました」と語ります。

「軽量で扱いやすく、低電圧で動作するうえ、作業者と同じ環境で使用できます。そこで、ユニバーサルロボットを試してみることにしました」

この工程では、粉末化粧品が入った金属製の容器「ゴデット」をピックアップしてトレイに並べ、ケースへ梱包した後、最終工程を行う別部門へ送ります。

まず、プレス機で粉末化粧品をゴデットに充填・成形します。その後、ゴデットはCognexの3Dプロファイラーヘッドの下へ搬送され、表面状態の検査と充填された粉末量の測定が行われます。

検査に合格すると、UR3協働ロボットが製品に応じてゴデットを2個または4個ずつピックアップし、トレイへ並べます。

トレイがいっぱいになると、UR5協働ロボットがトレイを持ち上げ、5か所あるケースのいずれかへ搬送して収納します。

その後、UR5協働ロボットは空のトレイが保管されている場所へ移動し、新しいトレイを取り出して待機場所へ搬送します。そこから次のトレイがUR3の前へ供給され、一連の作業が繰り返されます。

モバイル協働ロボットで12台のプレス機に柔軟に対応

モバイル協働ロボットで12台のプレス機に柔軟に対応

協働ロボットを搭載したモバイルカートでは現在、形状の異なるゴデットに対応する最大10種類の製品「レシピ」を運用しています。ゴデットには円形、正方形、長方形などがあり、厚さや重量もさまざまです。また、プレス機から一度に1個または2個ずつ搬出されるなど、生産条件も製品によって異なります。カート自体は、最大20種類の製品「レシピ」に対応できるよう設計されています。

このシステムを構築するうえで、大きな課題となったのがセットアップ時間と製品切り替えでした。ユニバーサルロボットを採用したことで、CotyはUR3とUR5協働ロボットをそれぞれ4台のモバイルカートに搭載し、12台のプレス機の間を移動させながら使用できるようになりました。

Paul Baublitz氏は、「12か所すべてにロボットを固定設置するよりも、はるかに費用対効果の高い方法です。これによって、財務的に実現が難しかったプロジェクトを実行可能なものに変えることができました。プロジェクトを進めるうえで、モバイル化は不可欠でした」と語ります。

モバイル協働ロボットを別のプレス機へ移設する際は、接続を解除してカートを移動し、新しいプレス機で再びセットアップするまで、通常15~30分で完了します。

4台のカートのうち2台は、生産量の多いプレス機を担当しているため、移動する機会はほとんどありません。一方、残りの2台は日常的に移設され、通常は3シフトごとに別のプレス機へ移動して使用されています。

年間50万ドルのコスト削減と作業環境の改善を実現

年間50万ドルのコスト削減と作業環境の改善を実現

この協働ロボットによる自動化プロジェクトにより、Cotyでは年間50万ドルのコスト削減を見込んでいます。大きな投資効果に加え、従業員の作業環境にも改善が見られました。

協働ロボットが稼働するエリアは、大型プレス機による強い振動に加え、粉じんや騒音が発生する環境です。ユニバーサルロボットの協働ロボットがプレス機周辺の作業を担うことで、Cotyは従業員をこうした環境から離し、反復作業の少ない、より付加価値の高い業務へ配置できるようになりました。

Paul Baublitz氏は次のように説明します。

「このプロジェクトがすべて完了し、4台のカートを週5日、3シフトで稼働させるようになると、この工程で必要な従業員を13人削減できます。これは組織にとって大きな変化です。生産効率も大幅に向上するため、チームも非常に期待しています」

モバイルカートに搭載した協働ロボットは、12か所のステーションそれぞれにロボットを固定設置するよりも、はるかに費用対効果に優れています。これによって、コスト面で実現が難しかったプロジェクトを実行可能なものにすることができました。」

Paul Baublitz, Project Manager, Coty Cosmetics
協働ロボットと自動検査で従業員の負担軽減と品質向上を両立

協働ロボットと自動検査で従業員の負担軽減と品質向上を両立

Coty Cosmeticsの従業員の中には、当初、ロボットによって自分たちの仕事が奪われるのではないかと不安を感じる人もいました。しかし現在では、手間のかかる作業を担ってくれる協働ロボットを、新たな「同僚」として受け入れています。

協働ロボットが担う作業の一つが、ゴデットの品質検査です。Cotyでは、自動化されたワークセルにCognexの検査システムを組み込み、品質管理の強化にも取り組んでいます。従来、品質検査はオペレーターが担当する数多くの作業の一つでした。

Paul Baublitz氏は、「今ではコンピューターがすべての検査を行っています。改善が必要な箇所があれば、すぐに対応できます」と説明します。

各ゴデットはCognexの3Dカメラで検査され、「合格」または「不合格」と判定されます。不合格となった場合は、UR3協働ロボットがゴデットをピックアップし、リジェクトボックスへ移します。

ロボットと3Dビジョンを連携し生産データを一元管理

ロボットと3Dビジョンを連携し生産データを一元管理

このシステムには、イーサネット/IPを介してUR3とUR5のコントローラー、およびCognexの3Dビジョンシステムと通信するAllen-Bradley製PLCが組み込まれています。

システムインテグレーターのChris Sydorko氏は、「これによって、必要な情報をすべて集約できる大規模なデータストリームを構築できます」と説明します。

Cotyでは、中央のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)から、さまざまな種類のゴデットに対応する製品「レシピ」を選択できます。選択したデータは、UR3協働ロボットとUR5協働ロボットのコントローラー、さらにCognexの3Dビジョンシステムへ送信されます。

また、Cognexの3Dビジョンシステムによる検査結果もイーサネット経由でシステムへ返されるため、ロボットの動作と品質検査に関するデータを一元的に管理できます。

社内でトラブルに対応できる運用体制を構築

社内でトラブルに対応できる運用体制を構築

協働ロボットを活用したシステムの立ち上げ後は、Cotyのチームが社内で運用・管理できる体制を構築しています。

Paul Baublitz氏は、「トラブルシューティングが必要になった場合でも、システム構築を支援してくれたインテグレーターにいつでも電話で相談できます」と説明します。

「ただ、現在ではモバイルカートを数か月にわたって運用しており、問題の99%は社内でトラブルシューティングできるほど、システムの扱いに習熟しています」

高速生産と安全性を両立

安全対策を組み合わせ作業者と協働ロボットが同じエリアで作業

安全対策を組み合わせ作業者と協働ロボットが同じエリアで作業

協働ロボットは、人と同じ作業空間で使用できるよう設計されています。しかしCotyでは、必要な生産スピードを確保するため、協働運転時の速度や力の制限を超える条件でロボットを稼働させる必要がありました。

そこでSydorko Automationは、作業者の安全を確保するため、軽量のプレキシガラス製ガードとライトカーテンを追加しました。これらの安全設備は、モバイルカートの移動性を損なわないよう設計されています。

作業者がガードのドアを開けたり、ライトカーテンで保護されたエリアに手を入れたりすると、ロボットはすぐに速度を落とし、安全な協働運転モードへ切り替わります。

作業者がドアを閉める、またはライトカーテンの検知エリアから離れると、ロボットは再び通常の生産速度に戻ります。

高速稼働と柔軟な協働を両立

高速稼働と柔軟な協働を両立

Chris Sydorko氏は、「必要なときには生産スピードを維持できる速度で稼働させながら、人との協働が適している場面では安全に配慮した協働運転へ切り替えることができます。両方のメリットを生かせるのです」と説明します。

Cotyのアプリケーションで、高速な従来型の産業用ロボットではなくユニバーサルロボットを採用した理由について、Chris Sydorko氏はよく質問を受けるといいます。その大きな理由の一つが、電源の違いです。

「現在、モバイルカートは110V電源で稼働しています。従来型の産業用ロボットでは240Vや480Vの電源が必要になります。カートを頻繁に移動させる用途では扱いにくくなり、作業者にとってのリスクも高まります」

さらに、従来型の高速産業用ロボットと比べて、ロボット本体が軽量であることや、制御装置がコンパクトであることも、移動式システムを構築するうえで重要な採用理由となりました。

自動化によって解決した課題

  • グローバル市場でのコスト競争力を強化
  • 高い生産スピードを維持しながら、従業員が安全に作業できる環境を確保
  • 従業員を反復作業から解放し、より専門性の高い業務へ配置
  • 身体的負担の大きい作業を自動化
  • 多品種・小ロット生産に柔軟に対応

採用の決め手

  • 年間50万ドルのコスト削減を実現
  • 13人の従業員をより付加価値の高い業務へ再配置
  • 3Dビジョンによる品質検査を自動化し、検査精度を向上
  • 人との協働に対応し、安全性にも配慮
  • トラブルシューティングが容易で、メンテナンス負担も軽減
  • センサー、3Dカメラ、PLCなどの周辺機器と容易に連携

協働ロボットで自動化した作業

  • プレス機から搬出された粉末化粧品入りの金属製容器「ゴデット」をピックアップ
  • ゴデットをトレイへ整列・収納
  • 満杯になったトレイをケースへ搬送
  • 空のトレイを供給して次の生産サイクルを準備

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  • 生産性を向上させる
  • 変化する製品需要に適応する
  • 従業員の幸福と定着率を改善する
  • 労働力不足を補う