溶接工程は熟練技能への依存が高く、人手不足や品質ばらつきが課題になりがちです。また、作業環境の負担や安全面の配慮も欠かせません。協働ロボットを活用して溶接を自動化することで、安定した溶接品質を実現し、熟練の溶接技術者がより難易度の高い仕事に集中することで、全体の加工能力を向上させることができます。
協働ロボットによる溶接の自動化
溶接工程でよくある課題
アーク溶接工程では、次のような課題が多く見られます。
- 熟練溶接工の確保が難しく、技術継承が進まない
- 作業者によって溶接品質にばらつきが出る
- 長時間作業による身体的負担や安全リスク
- 生産量の増減や製品切り替えへの対応が難しい
従来の産業用ロボットでは小ロット対応が難しく、大きなスペースも必要とするため、自動化を検討していても、踏み切れない現場も少なくありません。
協働ロボットが溶接自動化に適している理由
業務の生産性を向上
米オハイオ州の金属加工メーカー Raymath 社では、多品種少量生産（HMLV）における頻繁な段取り変更が課題でした。UR10e 協働ロボットの導入により、溶接速度と品質を向上させ、24時間体制の機械加工を実現。労働力不足にもかかわらず生産量を倍増させ、CNC稼働率は12か月以内に600％向上しました。
作業工程の効率化
Carriere Industrial Supply（CIS）では、大型で複雑な建設機械部品の多品種少量生産に対応するため、UR10e 協働ロボットを導入。プラズマ切断工程では1,000時間分の後処理作業を削減し、カスタム MIG 溶接構成により出力を2倍に拡大。ロボットと人間の溶接作業者が協調して作業しています。
溶接速度を向上し、収益を拡大
フロリダ州の DeAngelo Marine Exhaust 社では、複雑な TIG 溶接への高い需要と熟練溶接工不足により、リードタイムの短縮が課題でした。UR10e 協働ロボットの導入により溶接速度が10倍に向上。リードタイムの大幅短縮と新市場への進出を実現しました。
協働ロボットによる代表的な溶接のアプリケーション
協働ロボットは、さまざまな溶接工程に活用されています。
- MIG／MAG溶接
- TIG溶接
- レーザー溶接
協働ロボットは、一定の接触力を安定的に制御し、均一なアークとビードを実現します。また、電流監視や力制御などを活用することで、過剰な電流や接触圧の変動による不良を防止します。
溶接の自動化でユニバーサルロボットが選ばれる理由
溶接工程では、安定した軌跡制御と再現性が重要です。ユニバーサルロボット（UR）の協働ロボットは、溶接用途に適した特長を備えています。
URロボットは高い軌跡精度を実現しているため、溶接品質を均一化することができます。ダイレクトティーチ操作は、手の力加減通りにアームを直感的に動かすことができるため、狙ったポイントにアームを正確に動かして記録し、溶接パスを設定可能です。溶接条件やワーク変更にも現場で柔軟に対応でき、多品種少量生産の環境でも運用しやすい点が特長です。
軽量コンパクトで安全機能が充実しているため、人と同じ作業空間での運用が可能です。
また溶接専用のソフトウェアもUR+やOEMパートナーから提供されており、タッチセンシングで現物の位置ズレを補正したパスの生成、ウィービング条件の設定を簡単に行うこともできます。
外部軸と連動した、より高度な協働ロボット溶接
協働ロボットによる溶接は、外部軸（回転ポジショナなど）と動作を同期させることで、大型で複雑なワークでも安定した溶接品質と高い生産性を実現できます。
URの協調動作機能（Coodinate Motion）を活用すれば、ロボットのツール動作と外部軸を連動させ、常に最適な溶接姿勢を保ちながら滑らかな動作が可能です。これにより、正確な溶接軌跡を再現しやすくなり、サイクルタイムの短縮と効率向上につながります。
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自社製品や工程において、協働ロボットによる溶接加工の自動化が可能か、お気軽にご相談ください。
URロボットに対応する周辺機器
ユニバーサルロボットの協働ロボットは、適合確認済みの周辺機器と組み合わせることで、その性能を最大限に発揮します。こうした周辺機器やソフトウェアが集まる独自のエコシステムが「UR+（ユーアールプラス）」です。
ユニバーサルロボットが選ばれる理由
豊富な導入実績に裏付けられた信頼性
ユニバーサルロボットは、これまでに世界で100,000台以上の協働ロボットをあらゆる製造業分野へ導入してきました。大手グローバルメーカーから、地域の加工・受託工場まで、企業規模を問わず、多くの現場で活用されています。 URの協働ロボットは、生産性や品質の向上に貢献するだけでなく、作業者の負担を軽減し、改善活動といった付加価値の高い業務に人が集中できる環境づくりを支えています。
柔軟性と使いやすさで、現場ニーズに対応
ユニバーサルロボットの協働ロボットは、直感的なプログラミングと高い柔軟性により、条件の変更や製品切り替えにも現場で対応できます。また、オープンで外部機器と容易に接続できる拡張性の高い設計により、要件に合わせたシステム構築が可能です。その結果、導入効果（ROI）を数カ月単位で実感できるケースも多く、現実的な自動化投資として評価されています。
現場に合わせて調整できる高い安全性
ユニバーサルロボットは、業界最高レベルの信頼性を備えた安全機能とツールを備えています。工場や設備、アプリケーションごとのリスクアセスメントに基づき、安全設定を柔軟に構成できるため、人と協働ロボットが同じ作業空間で安心して作業できます。
溶接自動化を検討するためのガイドブック
協働ロボットを活用した溶接加工の自動化について、導入の考え方や検討ポイントをまとめたガイドブックです。フォームよりダウンロードいただけます。
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