ユニバーサルロボット 、フィジカルAI開発を支援する新プログラムを発表
協働ロボットを基盤に、パートナー企業の開発から現場実装までを一貫支援
ユニバーサルロボット(以下UR)は、フィジカルAIの開発と現場実装を支援する「URフィジカルAI開発支援プログラム」(以下、本プログラム)を発表いたします。本プログラムは、URロボット実機の提供、特別価格の適用、技術支援、PoC案件紹介、共同プロモーションを通じて、国内パートナー企業によるフィジカルAI開発から実用化までを一貫して支援します。
【背景】
URの協働ロボットは、製造現場における自動化用途に加え、世界中の大学・研究機関において、ロボティクス技術の研究開発基盤としても長年活用されてきました。オープンな開発環境、リアルタイムでの状態データ取得、10万台以上の導入実績に裏付けられた安全性という3つの特長が、こうした活用の広がりを支えています。
一方でフィジカルAI開発においては、コストや取り扱いやすさの観点から、研究用途の汎用ロボットでデータ収集・モデル学習を行うと、その後に現場で稼働させる産業用ロボットへモデルを展開する段階で、精度や安定性に課題が生じることが指摘されています。また、AIによる自律動作を制御全体に組み込むほどシステムがブラックボックス化し現場での運用・保全が難しくなることが、開発から現場実装に進む上での障壁になっています。
【本プログラムの概要】
本プログラムは、上記2つの課題に対応しています。具体的には①データ収集・モデル学習から実機検証、現場実装までを同一の産業用ロボット(URロボット)上で一貫して行える環境により、研究用ロボットから産業用ロボットへの展開時に生じる精度・安定性の課題を抑えます。また、②AIによる自律判断・動作と、現場が使い慣れたティーチング操作による動作を切り分けるハイブリッド構成が可能な開発環境と操作インターフェース(PolyScope Xおよび UR AI Accelerator、詳細は別紙参照)により、AI導入後もシステムのブラックボックス化を防ぎ、現場の運用・保全を円滑に実施することが可能です。
以下は本プログラムが提供する支援の一例です。
支援内容 | 概要 |
|---|---|
実機提供 | 開発・検証用にURロボット実機を貸し出し |
特別価格の適用 | パートナー企業向けに特別価格を適用 |
技術支援 | URによる技術サポートの提供 |
共同プロモーション | 開発成果の対外発信・販促活動における協業 |
PoC案件紹介 | URへの相談案件をパートナー企業に取り次ぎ、PoCの機会を提供 |
※支援内容・条件は、パートナー企業ごとの要望に応じて個別対応。
【今後の展開】
URの協働ロボットはこれまで、製造現場での自動化用途に加え、世界中の大学や研究機関において、先進的なロボティクス技術の研究開発を支えるプラットフォームとして長年活用されてきました。開発者が求める柔軟性や拡張性を備えるとともに、URを用いた先行研究の知見や開発資産がコミュニティ内に蓄積・共有されているため、フィジカルAI開発に適した基盤となっています。このような基盤を活用できる本プログラムを通じてパートナー企業との協業を拡大し、フィジカルAIの製造現場への実装推進とURロボット製品の拡販強化を図っていきます。
【ユニバーサルロボットについて】
ユニバーサルロボット(UR)は、協働ロボットのパイオニアであり、リーディングカンパニーです。
2008年に世界初の商用協働ロボットを発表して以来、直感的な操作性を備えた独自ソフトウェアPolyScopeの進化や、製品ポートフォリオの拡充を通じて、協働ロボットの可能性を広げてきました。
また、周辺機器を取りそろえたUR+エコシステムをはじめ、販売代理店、認定システムインテグレータ、OEMパートナーなどとのグローバルネットワークを構築。これにより、ユーザーが自動化導入時に直面する複雑さやコストといった課題の解消を支援し、誰もが簡単に自動化を実現できる環境を提供しています。
ユニバーサルロボットは現在、米Teradyne Inc.傘下の企業として、デンマーク・オーデンセに本社を構え、日本を含む世界20カ国に拠点を展開。これまでに世界50カ国以上で累計10万台を超える協働ロボットを販売しています。
【参考資料:技術的背景】
● URがフィジカルAI開発基盤として活用される3つの技術的背景
① オープンな開発環境
ROS 2・Python・C++による外部制御に標準対応し、GitHub上でドライバやURCaps SDK等をオープンソースで公開しています。公式シミュレータ「URSim」(VM/Docker対応)、開発者向けドキュメントポータル「UR Developer Suite」、世界中のエンジニアが集う技術コミュニティ「Universal Robots Forum」など、コード開発からシミュレーション検証、コミュニティサポートまでを提供する体制があります。AI処理とロボットのリアルタイム制御を分離できる設計により、外部で計算したAIの判断結果を安定した基本動作の上に重ねて実行できます。
② リアルタイム状態データへのアクセス
独自プロトコル「RTDE(Real-Time Data Exchange)」により、位置・速度・力などの豊富なロボット状態データを500Hz(2ミリ秒周期)で取得できます。時刻同期されたデータをそのままAIの学習・推論・実運用に活用できます。
③ 10万台以上の導入実績と安全性
製造現場・研究機関の双方で豊富な導入実績を持ち、TÜV認証取得済みの安全機能により、AI動作中も独立した安全監視・停止機能が維持されます。
● AI Accelerator(フィジカルAI開発スターターキット)とハイブリッド構成
URは、フィジカルAI開発の立ち上げ負荷を下げる製品として「AI Accelerator」を提供しています。NVIDIA Jetson AGX Orinコンピュートボックス、3Dカメラ(Orbbec Gemini 335Lg)、PolyScope Xを組み合わせたスターターキットで、Isaac ROSに対応し、物体検出・姿勢推定・経路計画等のサンプルをSDKで利用できます。
ティーチペンダントから物体検出・姿勢推定・座標変換・経路計画等のAI機能をURScript APIで直接呼び出せる設計になっており、従来のGUIティーチングとAIによる自律動作を混在させる「ハイブリッド構成」が可能な点が特徴です*1。ルールベースの固定プログラムのみ/AIモデルによる自律動作のみと比較した場合、ハイブリッド構成は、変動対応をAIに任せつつ、固定動作の調整は現場がティーチペンダントで行える点で、立ち上げやすさと運用継続性を両立しやすいという利点があります。
*1:出典 UR「AI Accelerator URScript API」
https://docs.universal-robots.com/AI_Accelerator_Documentation/html/urscript-api.html
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