

協働ロボットUR5とUR10でCNC工程を自動化し21時間の無人稼働と34日で投資回収
設備稼働率と品質を維持しながら人材を有効活用
消防設備メーカーのTask Force Tipsは、工作機械の稼働率と製品品質を維持しながら、従業員をより高度で付加価値の高い業務に充てたいと考えていました。そこで導入したのが、作業内容に応じて柔軟に移設できる4台のUR協働ロボットです。
固定式ロボットでは設備更新後の再利用が難しいことが課題に
インディアナ州に拠点を置くTask Force Tipsは、1990年からロボットと工作機械を組み合わせた自動化に取り組んできました。しかし、当時導入したロボットは特定の工作機械専用に設置されており、別の設備へ移して使うことができませんでした。
Task Force TipsのCEOであるStewart McMillan氏は、「先に工作機械が寿命を迎えてしまい、今では使い道のない10万ドルのロボットが残っています。より柔軟に使える協働ロボットがあると知り、この新しい技術を検討することにしました」と話します。
Task force tips
移設可能なURロボットで柔軟な生産体制へ転換
Task Force Tipsでは、CNCマシンテンディングに1台のUR10と2台のUR5を導入しています。さらに4台目のUR5はキャスター付きの台に設置し、必要に応じて異なる工程へ移動して活用しています。
McMillan氏は、この運用方法を「根本的なパラダイムシフト」と表現します。「これまでロボット導入の大きな障壁となっていたのが、設備の周囲に必要な安全柵でした。URロボットなら、リスクアセスメントに基づいて大掛かりな安全柵を設けずに運用できます。ロボットを載せた台を加工機まで移動し、数分で部品の投入方法を教示できます」と話します。
Task Force Tipsの生産スーパーバイザーであるCorey Mack氏によると、URロボットの導入によって、従来7人で対応していた工程を3人で運用できるようになりました。
現在、ロボットの準備に必要なのは、部品の配置やセットアップを含めて1シフトあたり約1時間です。その後は人の介助なしで約21時間稼働できます。こうした省人化効果により、同社では約34日でロボットへの投資を回収できると見込んでいます。
Corey Mack氏、 生産スーパーバイザー現在では、部品の配置やロボットのセットアップを含めても、1シフトあたり約1時間の作業で済みます。その後はロボットが人の介助なしで約21時間稼働します。この省人化効果により、約34日でロボットへの投資を回収できると見込んでいます。
2台のUR5が連携しビジョンと力検知で加工工程を自動化
2台のUR5を連携させることで、生産工程のさらなる効率化も実現しました。ブランク材が搬入コンベヤで運ばれてくると、1台目のUR5がビジョンシステムで部品を認識してピックアップし、最初の加工機へ投入します。
その後、UR5が加工途中の部品を取り出して、もう1台のUR5へ受け渡します。2台目のUR5は受け取った部品を次の加工機へセットし、加工完了後に取り出して搬出コンベヤへ移動。最後にオペレーターが部品をアルマイト処理用のラックへ配置します。
Task Force TipsのオートメーションスペシャリストであるAdam Hesling氏は、複雑に見えるこのシステムも、実際には比較的容易に構築できたと説明します。Hesling氏は熟練した機械加工の経験を持つ一方、ロボットプログラミングの専門的な経験はありませんでした。
2台のロボット間での部品受け渡しやビジョンシステムとの連携には、URロボットコントローラーのModbus通信を活用しています。また、UR5の力検知機能によって、部品の変形や切断時に残った突起、チャック部分に残った切りくずなども検知できます。
Hesling氏は、「ロボットが設定した位置まで移動しようとした際、障害物によってアーム先端にかかる力が、設定した50Nのしきい値を超えれば、異常があると判断できます」と説明します。異常を検知した場合には、エアブローで切りくずなどを除去してから作業を続けるようプログラムしています。

自動復旧で停止時間を削減し品質管理に注力
URロボットは、エアブローを数回行っても部品を正しくセットできない場合、加工機に「チャック洗浄」サイクルを指示します。高圧クーラントを使って、チャックジョーに残った切りくずなどを自動で除去します。
洗浄後も部品をセットできない場合は、ロボットのタッチスクリーンに通知を表示し、オペレーターに清掃を促します。それでも問題が解決しなければプログラムを停止し、オペレーターが原因を確認・修正して生産を再開できる仕組みです。
Task Force TipsのオートメーションスペシャリストであるAdam Hessling氏は、「ロボットは1時間に3~4回程度発生する『部品をセットできない』問題を自動で解決しています。オペレーターが介入するのは1シフトに1回程度で、まったく必要ないこともあります」と説明します。
こうした自動化により、従業員はCNCマシンの稼働を常に監視する必要がなくなり、加工後の部品を目視検査する時間をより多く確保できるようになりました。その結果、製品品質の向上にもつながっています。
さらに、従業員は生産改善のアイデアや新たな自動化方法を検討する時間も確保できるようになりました。Task Force Tipsでは、バリ取りや梱包、レーザー加工などへのURロボットの活用も検証しています。

自動化によって解決した課題
従業員をより複雑で付加価値の高い業務へ配置 ダウンタイムを削減 製品品質を向上 柔軟な自動化体制を構築 ROI:34日
協働ロボット導入の決め手
簡単なプログラミング 人との協働を支える安全機能 短期間での投資回収 柔軟な運用
協働ロボットで自動化した作業
CNCマシンテンディング バリ取り
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