

米国オハイオ州に拠点を置く金属加工メーカー Raymath は、複雑なTIG溶接に加え、MIG溶接およびCNCマシンテンディングの自動化を目的として、ユニバーサルロボット(UR)を導入しました。 新たに構築した協働ロボットアプリケーションにより、生産能力は大幅に拡張され、顧客ニーズへの対応力が向上。投資回収期間は12か月未満という成果を上げています。
「顧客は、より少ないサプライヤーに多くのことを任せたいと考えています」と語るのは、RaymathのCEO兼社長である Greg LeFevre 氏です。 「100社のサプライヤーではなく、より多くの工程を担える10社を求めているのです。私たちはその期待に応えたかったのです。」
LeFevre氏は、生産性向上のために自動化が不可欠であることを理解していましたが、彼の経験は大量生産・少品種の分野にありました。 「同じ部品を何百万個も作る場合は自動化は簡単です。しかし板金加工のようなファブショップでは、部品点数は非常に多く、生産量ははるかに少ない。この点が大きな違いです。」
従来型の自動化は、多品種少量生産には適していないため、Raymathにはより柔軟なアプローチが求められていました。
そのような中、RaymathのCEOは近隣にあるUR認定システムインテグレーター THG Automation を知り、同社のUR協働ロボットを用いたMIG溶接システムのデモに部品を持ち込み、実際に体験する機会を得ました。
「わずか4時間の間に、20か所の溶接ポイントをプログラミングできました」とLeFevre氏は振り返ります。 「実際に自分たちが作る部品を使って練習とテストができ、このシステムなら自社でも十分に使えると確信しました。その日の夜に購入注文書を書いたほどです。」
Raymathは短期間のうちに、THG Automation製の協働ロボット溶接セルを4台導入し、MIG溶接を自動化しました。現在は通常、2人のオペレーターがそれぞれ2台のTHG溶接セルを担当しています。
「オペレーターは1台のロボットをスタートさせ、その稼働中にもう1台の段取りを行い、行き来しながら作業します」と、Raymathのロボティクス担当Nick Ogle氏は語ります。
「4つのセルが同時に稼働しているのを見ると、これだけ多くの製品を、これほど速く出荷できていることに達成感を覚えます」

協働ロボットは、人手不足になりやすい工程を半分の人員で対応可能にし、溶接速度は2倍に向上しました。その結果、生産性は4倍に改善されました。
Raymathはさらに、マシンテンディング工程の自動化にもURを採用し、ProCobots製のUR協働ロボット対応ProFeeder加工セルを、3軸および5軸のHurco製CNCマシン2台に導入しました。
「これまで実現できなかった24時間連続の加工が可能になりました」とLeFevre氏は述べています。
この無人稼働(ライトアウト生産)により、加工工程の生産性は600%以上向上し、同じ人員で稼働時間を倍増させることができました。特に、夜間シフトの人材確保が難しい状況において、この効果は非常に大きな意味を持っています。

Raymath は、これまで人手や設備の制約から対応できなかった案件にも取り組めるようになりました。「すべてのお客様のニーズに応えられるようになれば、将来のビジネスも含めて競合に流れる可能性は低くなります。これは非常に大きな価値です」と LeFevre 氏は述べています。
複雑なアルミ溶接は、Raymath の成長における最大の課題の一つでした。上下両面に高精度な TIG 手溶接が必要で、角度や入熱管理が難しく、可動部品も多い工程だったためです。MIG 溶接の自動化で成果を上げた後、LeFevre 氏は THG Automation に TIG 溶接の自動化ソリューションを相談しました。
「精度をしっかり出せるようになると、THG のユニットは非常に高品質な TIG 溶接が可能で、手作業に比べて2~6倍のスピードで対応できます」と同氏は語ります。
Nick Ogle氏 ロボット担当、 RaymathUR と THG の組み合わせで協働ロボットを使ったのはこれが初めてでしたが、その使いやすさには本当に驚きました
アルミ部品の一例では、UR ベースの THG 溶接システムにより、手作業で1部品あたり15分かかっていた溶接時間が、5~6分に短縮されました。別の部品では、3~4分かかっていた溶接が30~40秒にまで短縮されています。
自動化された MIG 溶接は、多くの材料や用途に適用できますが、少量生産では2種類の溶接システムを導入することが難しい場合もあります。THG のコールドワイヤ供給式プッシュ/プル TIG システムを採用することで、Raymath は同一システムでステンレスとアルミの両方を溶接できるようになりました。

6軸構造の UR 協働ロボットの高い可動性により、TIG 溶接工程のスピードは大幅に向上しました。 「以前は、溶接工が治具を手動で回転させたり、姿勢を変えたりする必要がありました」と Raymath のロボティクス担当 Nick Ogle 氏は説明します。「今は部品ではなくロボットが動くので、手作業と比べて2~6倍のスピードで溶接できます」。

溶接だけでなく、Raymath はマシンテンディングの自動化でも UR を採用し、ProCobots 製の UR 協働ロボットベース ProFeeder マシニングセルを、3軸および5軸の Hurco 製 CNC 工作機械2台に導入しました。

Raymath が THG Automation 製の UR 協働ロボットベース TIG/MIG 溶接システムで行う溶接は、直線溶接、円周溶接、ウィービング溶接に加え、上向き、下向き、水平など多岐にわたります。最大で約12mm(約1/2インチ)の板厚にも対応可能です。 「必要な姿勢や種類の溶接は、ほぼすべて対応できます」と Ogle 氏は語ります。「円周溶接も、途中で止めることなく連続で行えるようになりました」。

4つの溶接セルに UR 協働ロボットを導入したことで、Raymath では少人数で複数の装置を同時に運用できるようになりました。 「他社のロボットでは、治具を極限まで作り込む必要がありましたが、当社が扱うすべての部品に対して治具を用意するのは現実的ではありませんでした」と Raymath の社長 Greg LeFevre 氏は説明します。「UR 協働ロボットなら、最小限の手作業による固定で、溶接テーブルにそのままセットできます」。
使いやすさは、THG のシステム設計における重要な要素です。
UR のオープンプラットフォームを活用することで、THG Automation は独自ソフトウェアを UR 協働ロボットのティーチングペンダントに組み込んだカスタマイズ溶接システムを開発しました。これにより、ロボットの操作経験がないオペレーターでも、容易に扱える溶接セルを実現しています。
手溶接工としてキャリアを積んできた Ogle 氏も、溶接位置と角度にロボットアームを直接動かし、ティーチングペンダントでポイントを保存するだけで操作できました。
「UR と THG は、私が初めて使った協働ロボットですが、その使いやすさには本当に驚きました」と Ogle 氏は語ります。
THG Automation では、新規導入時に1~3日間のトレーニングを提供していますが、「多くの場合、私たちが現場に到着する前から、すでに溶接アプリケーションが動き始めています」と、THG Automation の CEO である Matt Hendey 氏は言います。
「その後にお客様から連絡をいただく内容も、『どうやって動かし続けるか』ではありません。『基本は分かったので、次はもっと高度な機能を使いたい』という相談になるのです」。
使用したUR製品:
THG Automation MIG Solution
THG Automation TIG Solution
ProFeeder Plug and Produce Robot Cell from EasyRobotics/ProCobots
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