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協働ロボットが書架作業を担い、利用者対応を強化

Oodi Library

概要

ヘルシンキの新しい中央図書館「Oodi」は、職員が利用者対応により多くの時間を割けるようにするため、ロボットを活用した館内物流の自動化を検討していました。 システムには、人が行き交う環境でも安全に稼働し、1時間あたり最大2,000点の資料を仕分けできる能力が求められました。

ユニバーサルロボットのインテグレーションパートナーであるMikro-Väylä Oyは、返却機、仕分け用コンベヤ、マシンビジョン、そしてUR協働ロボット用の書架ポイントから成るシステムを設計しました。さらに、Mobile Industrial Robots(MiR)のAMR(自律走行搬送ロボット)が、地下から利用エリアまで、満載された書架やボックスを搬送します。 Oodiはこの自動化に非常に満足しており、2名の職員を利用者サービスへ再配置することができました。

ビジネス変革

ヘルシンキ市が運営する新しい中央図書館Oodiには、書籍・雑誌・新聞・楽譜・映画・ゲームなど約10万点の資料があります。1日あたりの貸出数は約1,300~1,500点にのぼります。 Oodiは30以上の分館を持つヘルシンキ市立図書館の一部で、共通の蔵書システムを採用しています。

従来、返却作業は人手で行われてきました。返却資料の仕分けは正確さが求められる一方、身体的には単調で、人間工学的にも負担の大きい作業です。

専門司書のリィア・オランケト氏は次のように語ります。 「図書館業界では自動化は珍しいものではありません。貸出・返却機は何十年も前から使われています。来館者が多く、毎日大量の返却が発生することは分かっていました。だからこそ、職員が地下で仕分け作業に追われるのではなく、利用者のそばにいられるよう、返却工程を館内で自動化したかったのです」

課題は、工程全体を自動化できる単一のシステムが存在しないことでした。複数の要素を組み合わせて構築する必要がありました。

Oodi Library

業界 Education
Finland
従業員数 50-100
使用したURロボット UR10
Oodiは、市民にとっての“リビングルーム”のような存在で、協働作業や交流、簡単なDIYなどが行われる空間です。そのため、自動化システムは人に恐怖感を与えず、安全に人と共存して稼働できることが不可欠でした。 Oodiは入札を通じて、安全かつ効率的にプロセスを自動化するアイデアを求めました。

最初は、映画で見たロボットのイメージが強く、ロボットアームは少し怖かったです。でも実際に触れて、プログラミングを試し、できることを知ると、どこか人間的で親しみを感じました

リィア・オランケト氏 専門司書/Oodi ヘルシンキ

どのように実現したか

ユニバーサルロボットのインテグレーションパートナーであるMikro-Väylä Oyは、返却プロセスの中でも特に重要な工程を自動化する提案を行いました。

まず、自動返却機が書籍のRFIDタグを読み取り、資料をコンベヤへ振り分けます。マシンビジョン付きコンベヤが、資料を適切なボックスへ落とします。ここまでは一般的な技術です。 さらに、2台のUR10協働ロボットが、短期貸出用の資料を書架へ戻します。

MiRとユニバーサルロボットによる、Oodi図書館の仕分け・配架システムの全工程をご覧ください

自動化システム全体

1時間あたり700点の処理能力

コンベヤは、書籍を持ち上げ可能なタイミングを協働ロボットに通知します。URのアームに取り付けられたRobotiq製グリッパーが、書籍をコンベヤから持ち上げます。特別に長いフィンガーにより、大型で柔らかいコミック本でも確実に把持できます。

その後、MiRのAMRが、ナビゲーションシステムとエレベータを使用して、書架やボックスを正しい階・部門へ搬送します。Oodiのフリート管理システムはエレベータとも連携し、ロボットを自動的に目的階へ運びます。

「最初は少し怖かったですが、実際に使ってみると、とても人間的に感じました」とオランケト氏は語ります。

UR協働ロボットは元々安全設計ですが、さらにSICK社のnanoScan3 Coreセーフティレーザスキャナを追加し、人が近づきすぎた場合には動作を停止する仕組みを導入しています。
仕分けシステムはI/Oを介してUR10を制御し、MiRとはAPIで連携し、書架が搬送可能なタイミングを通知します。物流用に開発されたフリート管理ソフトウェアが返却システムと連携し、次の搬送先をAMRに指示します。

適切なグリッパーの選定

適切なグリッパーの選定

MiRのAMRは、SNS上で行われた名称募集により、フィンランドの絵本の登場人物にちなんで「Tatu」「Patu」「Veera」と名付けられました。

技術的に最も難しかったのは配架作業でした、とMikro-Väylä OyのCEO、ミーカ・ヴァッカー氏は言います。
「本のサイズはさまざまです。大きくて柔らかいものもあれば、小さくてハードカバーの本もある。協働ロボットは、それらをしっかり把持し、空中で回転させ、正確な位置に戻す必要がありました」

基本ソリューションとして、Robotiqの2F-85グリッパーを採用し、最大サイズのペーパーバックでも歪まないよう、専用の延長フィンガーを追加しました。

使用したUR+製品
・Robotiq 2F-85 グリッパー

協働ロボットは使いやすい

協働ロボットは使いやすい

オランケト氏によると、Oodiはこのシステムを信頼性の高いものとして評価しています。
「協働ロボットはとても使いやすいです。職員は起動方法を知っていれば十分です。私は技術系の教育を受けていませんが、テクノロジーには興味があります」

「エラーは起こりますが、驚くほど少ないです。一番多いのは、本が少し傾いて供給され、ロボットハンドがうまく掴めないケースですね」

メリット

Oodiのシステムは世界中から注目を集め、図書館関係者だけでなく、さまざまな業界の来訪者が視察に訪れています。

自動化により、Oodiは地下での仕分け作業から2名を利用者サービスへ配置転換できました。また、人間工学面も大きく改善されました。協働ロボットが配架の一部を担うことで、職員が介在せずに資料を再び貸出可能な状態に戻せます。

「このプロジェクトを通じて、図書館業務の中で協働ロボットが活躍できる場面が見えてきました。導入前にニーズをしっかり検討すれば、他の図書館にも勧めたいです」

ユニバーサルロボット フィンランドのカントリーマネージャー、ミッカ・ヨキネン氏はこう述べています。
「Oodiは協働ロボットの柔軟性と多用途性を示す素晴らしい事例です。図書館に導入された初のUR協働ロボットの一つであり、人とロボットの協働を象徴しています」

Oodiについて

Oodiは2018年に開館したヘルシンキ中央図書館で、その革新的な建築でも国際的に知られています。蔵書数は10万点、職員数は64名です。

UR10 ロボット(図書館での導入)協働ロボットインテグレーター ミーカ・ヴァッカー氏と専門司書 リィア・オランケト氏

自動化によって解決した課題:

  • 1時間あたり2,000点に及ぶ返却物流への対応
  • 1時間あたり700点の配架処理
  • 多品種少量プロセスの自動化

採用の決め手:

  • 運用コスト効率の向上
  • 投資回収:15週間
  • 短期間での投資回収

協働ロボットで自動化した作業:

  • 返却物流
  • 短期貸出書籍のピックアップおよび配架

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数千の企業が協働ロボットを活用しています...

  • 生産性を向上させる
  • 変化する製品需要に適応する
  • 従業員の幸福と定着率を改善する
  • 労働力不足を補う