溶接を楽しく簡単に、熟練の技術を再評価し付加価値に

株式会社長尾製作所

概要

精密板金加工業を営む長尾製作所は、大分県佐伯市に拠点を置いています。半導体、食品加工、鉄道などの業界と取引する同社は、特に精密な薄物溶接が得意。職人の細やかな感覚や豊かな経験を新たな社員へ継承し、より生産能力を高めるために、人とロボットで共同作業ができ、従業員自ら簡単に導入・運用ができる協働ロボットが最適であると考えました。導入後は、生産能力が高まり、初心者の作業習得も短時間で済むようになった上、「溶接の面白さ・楽しさ」を喚起することができました。

課題

長尾製作所では、人材育成や技術承継を課題としていました。過去には溶接作業の難易度の高さ故に初心者が短期間で習得できず、挫折してしまうこともありました。そうした課題に取り組むべく作業の自動化を検討し、産業ロボットの導入も検討。しかし、そのティーチングや操作習得などが作業現場に負担を強いてしまう懸念がありました。また単に作業を自動化するだけでなく、職人たちの付加価値を最大化させたいという思いもありました。

Nagao Manufacturing

業界 金属加工・機械関連
日本
従業員数 152
使用したURロボット UR5e(置換製品:UR7e)

ソリューション

長尾製作所

溶接工程の協働ロボット導入背景:人材育成と技術承継への対応

代表取締役の長尾一生氏は、「人材育成や技術承継が一番の課題です」と述べます。今回のURロボット導入では、「ロボットと人の作業を明確に分け、ロボットの技術を進化させながら、もともとそこにあった職人の技術に再度スポットを当て、そこに付加価値を付けたい」と長尾社長。溶接作業の一部をロボットに任せる一方で、職人は新しいことに挑戦して新しい付加価値を生み出せるとも話します。 同社では、約2年にわたって、市場調査や他社視察を行いながら、産業ロボットに挑戦してきました。その中で取締役専務の長尾辰則氏は、「様々な工場で、産業ロボットのティーチングに苦戦するのを目の当たりにしてきた」と述べています。 長尾専務は、知人の工場視察でURロボットによるティーチングと溶接の一連の作業を見たとき驚きました。URロボットによる「ダイレクトティーチング」では、簡単に手早くティーチングが進み、なおかつ熟練者とほぼ同等の品質の溶接ができてしまうのです。長尾専務も30分ほどのURロボットのレクチャーを受けた後に、きれいに溶接ができたと言います。 長尾製作所でURロボットの導入を検討していた頃、大分県で独自に行われていた補助金制度に採択されたこともあり、導入決定にいたりました。産業ロボットと比較して短期間で導入が済んだということです。

溶接精度

熟練職人も認める溶接品質と簡単操作性

長尾専務の工場視察での様子を後から映像で確認した熟練の溶接職人である中川氏は、「うそやろ!!」と思ったそうです。実際に中川氏も工場で実機をテストしてみて、「本当にできるんだ」とその「凄さ」や「簡単さ」に再度驚くことになりました。 中川氏と共に働く白岩氏は、溶接の初心者でした。今回、URロボットを実際に操作してみて「想像していたよりも、操作が簡単だった」と白岩氏は振り返ります。プログラムの経験はなく、ロボット操作も初めてでしたが、1カ月程度の教育で操作設定ができるようになりました。URロボット操作しての溶接作業に慣れてきた白岩氏は、次のステップとして自身での溶接作業も行うようになりました。今は「溶接の仕事が楽しい」と話します。まだ中川氏の支援が必要な部分もありますが、自分でできることをもっと増やしたいとのことです。

外国人も活用できるUI設定

外国人技術者も活躍できる協働ロボットの直感的UI

また工場に新たに配属されたベトナム人の技術者は、溶接の経験が浅い上、日本語がほとんど話せませんでした。そんな彼も、通訳を介したレクチャーを短時間受けただけで、URロボットの溶接を習得。彼の日頃の作業の様子について、「楽しそうにやっていますね」と中川氏はにこやかに語ります。今もまだ日本語はうまく話せませんが、URロボットの直感的なUIや使い勝手のおかげで、身振り手振りで従業員同士コミュニケーションが取れています。 このように、簡単・安全なURロボットにより、未経験者や外国人の採用も積極的に行いやすくなるため、安定した人材確保につなげられる可能性もあります。

協働ロボット活用で溶接にさらに付加価値を

溶接工程から焼け取り工程へ拡大する協働ロボット活用

現在、同社では、新たに焼け取り工程でのURロボット導入に着手。さらに対応製品も増やし、現状78%の稼働率を、90%以上まで増やそうとしています。そのためにも、人材育成も強化していきます。 長尾専務は、「URロボットは誰でも動かせますが、この先も熟練のノウハウは必ず必要です」と述べています。細やかで繊細な溶接作業は完全に自動化することは不可能で、手作業の熟練技術が今後も重要であり続けることには変わらないからです。 URロボットがそこにいることで、熟練職人と初心者のオペレーターとで作業の棲み分けが成されていくのではないかと長尾専務は語ります。そうした中で光を浴びる溶接職人たちの技術を、製品の付加価値として着実に反映させていきたいとのことです。

作業者目線で使いやすいですね。当社が今、目指すものにマッチしていたのがURロボットです。実際に現場での使用頻度を見ていても、それをすごく感じます。今回の導入は大成功です

長尾 一生氏 代表取締役

課題を克服

  • 産業ロボットで苦戦していたティーチングに時間をかけずに済むようになった
  • 習得に時間がかり難易度も高い溶接作業において、初心者を支援し短期化できるようになった
  • 未経験者や外国人の採用のハードルを下げられる可能性が出てきた
  • これまで顕在化しなかった熟練職人の技術力を明確に評価する機会を生み出した

導入の決め手

  • 導入とティーチングの簡単さと、ロボットの作業品質
  • 操作習得の簡易さ
  • 行政の助成金が適用できる可能性が高かったこと

協働ロボットが解決した作業

  • TIG溶接

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数千の企業が協働ロボットを活用しています...

  • 生産性を向上させる
  • 変化する製品需要に適応する
  • 従業員の幸福と定着率を改善する
  • 労働力不足を補う
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