
少量多品種の溶接工程を協働ロボットで自動化
熟練溶接工の確保が難しくなるなか、DWD Groupは溶接工程の一部を自動化することを決断しました。工程の複雑さや、少量多品種の部材を扱う生産環境を考慮し、デンマークのRO-Buddy社が開発した溶接自動化パッケージを採用しました。
このソリューションは、ユニバーサルロボットのUR10e協働ロボットに、高性能な溶接機と溶接テーブルを組み合わせたシステムです。


DWD Groupは、建設業界向けの製品を手がけるポーランドのメーカーです。同社は、これまで手作業で行っていたTIG溶接工程を、MIG溶接システムとユニバーサルロボットのUR10e協働ロボットを組み合わせて自動化しました。
協働ロボットの導入により、作業環境を改善するとともに、人手不足のなかでも厳しい納期に対応できる生産体制を構築。さらに、溶接時に発生するヒュームを伴う作業から従業員を解放し、より安全で働きやすい環境を実現しています。
DWD Groupは、道路・橋梁、産業施設、民間建築などの分野に製品を提供する複数の企業で構成されています。同社では、案件ごとに異なる仕様に対応するプロジェクト型の生産を行っており、橋梁排水システム、ステンレスやアルミニウム製部品、天窓、排煙ダンパー、フェンス、屋根など、幅広い製品を手がけています。
近年、大きな課題となっていたのが、高品質な溶接を維持しながら厳しい納期に対応するための熟練溶接工の確保でした。
従来は、多数のアルミニウム部材をすべて手作業で溶接していました。あらかじめ切断された部材を溶接工程へ運び、熟練作業者が治具にセットしてTIG溶接を行っていました。
溶接後の部品は大きく、工場内での移動にも手間がかかります。また、各工程の完了後には、次の工程が始まるまで待ち時間が発生することもありました。その結果、溶接工程が工場全体のボトルネックとなり、建設業界で求められる厳しい納期への対応が難しくなるケースも生じていました。

熟練溶接工の確保が難しくなるなか、DWD Groupは溶接工程の一部を自動化することを決断しました。工程の複雑さや、少量多品種の部材を扱う生産環境を考慮し、デンマークのRO-Buddy社が開発した溶接自動化パッケージを採用しました。
このソリューションは、ユニバーサルロボットのUR10e協働ロボットに、高性能な溶接機と溶接テーブルを組み合わせたシステムです。

UR10eは、標準仕様でも直感的にプログラミングできるよう設計されています。RO-Buddy溶接システムでは、この特長を活かし、URCapsプラットフォーム上のソフトウェアによって溶接機能を拡張しています。
URCapsは、溶接装置とUR協働ロボットを連携させるソフトウェアインターフェースです。URのティーチペンダントから、システム全体を直接プログラミング・操作できます。豊富な導入実績をもとに、汎用性の高いUR10eを溶接用途に最適化しています。
溶接に必要な各種パラメータはティーチペンダント上で設定でき、溶接トーチの動きも直感的かつスピーディーにプログラミングできます。必要に応じて、ロボットアームを手で動かしながら位置を教示することも可能です。
また、UR10eは溶接システムから簡単に取り外せるため、必要に応じて他の用途に転用できる柔軟性も備えています。

プログラミングが簡単なため、これまでロボットのプログラミング経験がなかった作業者でも、短時間で協働ロボットの操作を習得できました。
さらに、同社のエンジニアは操作をより簡単にするため、5つのボタンを追加。使用頻度の高い5種類の溶接プログラムを、ワンタッチで選択できるようにしました。
RO-Buddyの導入前には、ユニバーサルロボットとRO-Buddyの販売代理店であるJorgensen EasyTechが開催するデモに参加。溶接の専門家による指導のもと、実際に協働ロボットをプログラミングし、サンプル部品の溶接を体験しました。
「協働ロボットのプログラミングのしやすさと、高い溶接品質が、UR10eとRO-Buddyを採用する決め手となりました」とRobert Murz氏は語ります。
ロベルト・ムルツ氏 DWD Group 共同オーナー購入からわずか3週間で、Jorgensen EasyTechからすぐに稼働できる完全統合システムが納入されました。
わずか半日のトレーニングで、従業員はさまざまな部品の溶接プログラムを自ら作成できるようになりました。」
ロボットによる溶接工程では、DWD GroupのエンジニアがMIG溶接方式を採用しました。協働ロボットのプログラミングでは、溶接する区間ごとに各種パラメータや高度な機能を細かく設定できます。
高性能なMIG溶接機とUR10eを組み合わせることで、従来のTIG溶接と比べて作業を高速化しながら、強度と美しい仕上がりを兼ね備えた高品質な溶接を実現しています。
ロボット溶接システムへの投資により、DWD Groupは生産体制を大きく改善しました。熟練溶接工の確保に左右されることなく、長期にわたって安定した溶接品質を維持できるようになっています。
「協働ロボットへの投資は、短期間で回収できると考えています。すでに工程のスピードアップに加え、高い品質を維持しながら安定した仕上がりを再現できるなど、多くのメリットを実感しています」とRobert Murz氏は語ります。

数千の企業が協働ロボットを活用しています...