協働ロボットと既存技術の組み合わせで高可搬と安全性を両立

株式会社豊田自動織機

概要

豊田工業株式会社は、半田市の栃田工場(第703工場)で、将来の労働者にとってより魅力的な工場にするための改善を実施しています。そのようなイニシアチブの1つは、原材料入力プロセスの自動化に焦点を当てています。協働ロボットと既存のバランサーを組み合わせることで、同社は重い材料を取り扱うためのソリューションを開発しました。これにより、作業時間数と手動吊り上げの負担の両方が軽減されました。

課題

従来、吊具とホイストを活用し手作業で粗材を投入していましたが、粗材重量は重く、落下リスクなど危険が伴う課題がありました。また、作業者は粗材を投入をするために離れている場所から不定時で呼び出されることから、煩わしい作業でもありました。

Toyota Industries Corporation

業界 Automotive
Japan
Number of employees 1920 (Tōchita Plant)
使用したURロボット UR10e

課題を克服

  • 危険が伴う工程の改善

導入の決め手

  • 小型協働ロボットとバランサーの組み合わせで重量物搬送の自動化を実現
  • フォースモードを活用することで安全性を犠牲にすることなく停止が起きづらいロバストな設備を構築
  • 安全柵が不要でコンパクトな設備導入

協働ロボットが解決した作業

  • 重量のある粗材の投入

ソリューション

トヨタの協働ロボット

既存技術の組み合わせによる材料入力自動化と課題解決

投入工程の自動化にあたり、考えたのが既製品を組み合わせる技術開発です。具体的には、協働ロボットをバランサーで補助するという手法にチャレンジしました。目標サイクルタイム等の要件を満たすためにいくつかの組み合わせを検討した結果、今回は剛体アーム型機構とURロボットを組み合わせることで目標を達成しました。また、バランサーと組み合わせたシステムの為、実際ロボットアームが操作する治具と粗材の質量とロボットの荷重設定が特殊な環境のため、サーボ発振が発生する問題に直面しましたが、URロボットでは荷重、重心、慣性を任意に設定することができ、加えて速度や加速度などの設定を最適化することで問題を解決しました。

粗材はばら積みの状態となっているため、取り出しはランダムピッキングを行う必要がありました。今回の取り組みでは、ビジョンカメラを協力会社と力を合わせながら構築を行いました。

トヨタのフェンス付きロボットと非フェンスロボット

フォースモード活用で実現したスムーズな地切り・荷下ろし

材料入力プロセスを自動化するには、既存の製品を革新的な方法で組み合わせることが解決策でした。具体的には、バランサーを介した協働ロボットの使用に挑戦しました。必要なサイクルタイムやその他の基準を満たすためにいくつかの組み合わせを検討した後、剛性アーム機構とURロボットを組み合わせることで目標を達成しました。さらに、バランサーと組み合わせたシステムは、ロボットアーム、治具、および原材料の固有の環境に起因するサーボ振動の問題を引き起こしました。しかし、URロボットでは、負荷、重心、慣性を任意に設定することができ、速度や加速度などの設定を最適化することで問題を解決しました。原材料はバルクパイルであるため、ランダムなピッキングが必要であった。このプロジェクトでは、パートナーと協力してビジョンカメラシステムを構築しました。

トヨタの生産エンジニア

粗材投入自動化による工数削減と設備のコンパクト化

「導入効果に関しては粗材投入作業を自動化できたことで作業工数低減に成功し、様々な組み合わせが検討できるようになりました」(豊田自動織機 エンジン事業部 製造第二部 加工課 課長 山田 英貴氏) 山田氏は続けます。「いつも自動機を導入する際は、安全柵など設備がだんだん大きくなってしまいますが、そうなることなくコンパクトなままで設置でき、かつ安全は担保されているので、すごく可愛がっています」

協働ロボットは豊田自動織機

協働ロボット導入を起点とした自動化の拡大

豊田自動織機では今回の自動化工程の横展開に加え、エンジンの上げ下ろしや、コンベア中心になっている工程の自動化を検討中です。今回の協働ロボット導入を経て豊田自動織機 エンジン事業部 生産技術部 開発室 開発第1G グループ長 清水 達也氏は語ります。「答えを決めてしまうと、その答えを探すのに時間がかかってしまいます。まず協働ロボットを一回導入し、使いながら勉強し、入れる範囲をどんどん拡大していくと自動化が進むのではないかと思います」

まず協働ロボットを一回導入し、使いながら勉強し、入れる範囲をどんどん拡大していくと自動化が進むのではないかと思います

清水 達也氏 エンジン事業部 生産技術部 開発室 開発第1G グループ長

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  • 生産性を向上させる
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